よかれと思った「熱湯消毒」でリスク増!?意外とやりがちだけど、じつは食中毒の危険性が高い行為
危険な行為3:少ない油で揚げものをする
揚げ物はしっかり火を通しているから、食中毒の心配は少ないだろうと思いがちですが、少なめの油で揚げ物をするのは、食材や料理によっては注意が必要です。 「揚げ油がもったいない」といった理由もあって、できるだけ少量の油で揚げ物をする方法が支持されるようになりました。でも、生の肉や魚を使った料理を少ない油で揚げると、食材全体が油に浸かっていないため、表面は高温でも中心温度は低いままという場合があります。さらに、油が少ないと、油の温度がすぐに上がって、表面ばかり色がついてしまい、中まで火を通る前に引き上げてしまう心配も。 特に冷凍のメンチカツやフライなどは凍ったまま調理するものもあり、その場合は中心の温度が上がるまでに時間がかかります。冷凍されていても、食中毒菌は食材の中で生き残っていることがあり、しっかりと加熱しないと死滅しません。 肉や魚を使った厚みのある食材を揚げるときには、多めの油を使い、一度にたくさんの量を揚げないようにしましょう。また、表面の揚げ色だけに気を取られず、中を割って、中心まで火が通っているか確認するようにしてください。 揚げ物だけでなく、未加熱品の冷凍ハンバーグなども中心まで火を通さないと、食中毒を引き起こす可能性があります。市販の冷凍食品を使う場合は、パッケージをよく読み、調理方法を確認しましょう。
危険な行為4:カレーを常温に置いておく
スパイスたっぷり使われているうえにしっかり煮込むカレーは、食中毒とは無縁と思う人もいるかもしれません。でも、カレーを始め、シチューや豚汁といった煮込み料理は要注意。ウエルシュ菌という食中毒菌が繁殖しやすい条件がそろっているのです。 ウエルシュ菌は、肉や魚、野菜などに付着しており、酸素を嫌ううえに100℃以上で数時間加熱しても死滅しません。しっかり煮込んでも生き残れるウエルシュ菌は、温度が20~50℃前後まで下がったときに爆発的に増殖します。特にとろみのあるカレーは温度が下がりにくく、繁殖しやすい温度帯が長く続くことになります。 カレーは多めにつくり置きして、2日目以降も食べるという方も多いかもしれませんが、常温に長く置いていると、危険。再加熱しても、ウエルシュ菌はいなくなりません。2日目以降も食べたい場合は、できるだけ早く鍋から出して小分けにし、保冷剤などで冷やしてあら熱を取ったら、すぐに冷蔵庫へ。食べきれないときには、冷凍保存をするのもおすすめです。