【認知症】鬼電、泥棒呼ばわりで家族は疲弊「在宅介護の限界点」2つの家庭のエピソード
11月11日は「介護の日」です。厚生労働省によると、2025年には実に高齢者の5人に1人が認知症の人になると推計されています。 【グラフ・写真付きで記事を読む】鬼電、泥棒呼ばわりが辛い!認知症「在宅介護の限界点」 ひとことで「認知症」といえども、その症状には個人差があります。また、日常生活を送る上での困り感は、生活環境や家族との関係性によって大きく変わってくるでしょう。 そのため、認知症の人とその家族が抱える困難さは、排泄や食事などの日常行為のほか、お金の管理や対人関係まで様々です。 今回は、認知症を在宅介護する上での「限界点」について、調査結果や実際に起こったエピソードを交えながら考えていきます。 ※認知症の症状や進行具合には個人差があります。信頼できる医師の指示のもとで、適切な療養・介護を行ってください。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
介護施設への入所のきっかけトップは「認知症」
LIFULL seniorが2023年8月に公表した介護施設入居に関する実態調査 2023年度」によると、回答者2000人中の46%が、介護施設への入居を決めたきっかけとして「認知症」と答えています。
介護施設入所のきっかけになった「認知症の症状」とは
・排泄の失敗をする:32.3% ・お金の管理ができない:29.0% ・怒りっぽくなる、暴力をふるう:18.2% ・食事のトラブルを起こす:17.2% ・外出して戻れなくなる、家を間違える:16.7% ・被害妄想に囚われる:16.4% ・不安を訴える:16.1% ・幻視、幻聴:13.5% ・エアコン等が利用できない、気温に合わない服装:12.7% ・睡眠障害:12.5% ・火の始末ができない:12.3% ・うつ、無気力:11.0% ・買い物トラブルを起こす:6.7% ・わからない:3.4% 「認知症」とひとことで言えども、その症状には個人差がありますね。ちょっとしたサポートがあれば自宅で暮らしていける人から、介護サービスをフル活用したとしても、家族の疲弊は改善されないケースまでさまざまでしょう。 同調査では、介護施設への入居のきっかけとなった認知症の症状についてもたずねています。回答のトップ3は「排泄の失敗」「お金の管理ができない」「怒りっぽくなる、暴力をふるう」でした。 トイレの介助が必要となった時点で、介護に費やす時間はいっきに増えるでしょう。また、お金の管理に困難さがみられる場合、金融機関の口座が凍結される恐れがある点も頭に入れておく必要があります。 また、いつも怒っている、暴力をふるう場合は特に、介護する側の「心の健康面」がじんわりと損なわれていく可能性が。 ●いつかは見える「在宅介護の限界点」 在宅介護から施設入所への切り替えには、金銭面、心理面で高いハードルを感じる家庭が多いでしょう。 決定的なできごとが起こらない限り、「もう少し、在宅介護を頑張ってみよう……」と気持ちを奮い立たせて毎日を過ごす人もいるはずです。 とはいえ、多くの場合「在宅介護の限界点」がいつか見えてきます。次では2つの家族のエピソードを紹介します。