食細いのに“どんぶり無理強い”は逆効果 「食べない息子」を変えたプロ母の発想力
少しずつ「こっそり」食べる量を増やしてみる
2つ目は、「子どもが気づかないうちに増やす」方法だ。 親としてはせっかく用意したのに、なかなか食事が進まない子に、ついつい「なんでこれくらい食べられないの」などと、小言まがいの言葉が出てきてしまいがち……。 「一番良くないのは、『◯◯君は毎日どんぶり3杯も食べるそうよ。あなたももっと食べないと、レギュラーに選ばれないわよ』みたいな言い方です。食事はやはり楽しく食べたいですよね。そこで、本人が気づかない程度に少しずつ量を増やしましょう。ご飯を盛るとき、いつもよりティースプーン1杯分だけ増やす。ちなみにティースプーン1杯で約10グラムです」 いきなり山盛りのどんぶり飯では、子どももうんざりするだけだ。そこで、ほんの少しだけ増やす。大抵は気づかずに食べる。1週間くらい続けたら、さらにティースプーンもう1杯分を増やす。1か月くらいかけてティースプーン3~4杯分……。というように、少しずつ増やしていくのがポイントだ。 小学校高学年から中学生の段階では、成長スピードにも差がある。だからこそ、親は体の小さい・大きいの差が気になって、子どもに無理強いをさせてしまいがちだ。 「成長のピークは人それぞれ違うのです。いきなりグンと背が伸びたり、体重が増えたりする時期もあります。程度の差こそあれ、成長ピークは必ず来ます。だから、小学生のうちから食べる量を無理なく増やして、ピークを待ちましょう」 内臓系の成長も個人差がある。その成長が進んでくれば食べられる量も増えてくる。焦らず、少しずつ、「食べられるための工夫」を試してみてほしい。
大橋礼 / Rei Ohashi