「半年で辞めてしまった仕事」も無意味ではない、大切なのは「過去」をきちんと意味づけすること
自己啓発書やビジネス書でおなじみの「何歳からでも人生はやり直せる」というフレーズは、じつは大間違い。一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事の有山徹氏は、正しくは「何歳からでも人生は変化させられる」だといいます。 キャリアはいつまでも完成することない「永遠のβ版」だと説く有山氏が、これまでの豊富なキャリア相談のなかでたどりついた、正しい「過去の意味づけ」の方法とはどんなものなのでしょうか。同氏の著書『なぜ働く? 誰と働く? いつまで働く? 限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得』から、一部を抜粋・編集して紹介します。
■「人生をやり直したい」というのは大間違い 「何歳からでも人生はやり直せる!」 こんなキャッチコピーやセリフを目にしたことがあると思います。とっても前向きで勇気が湧きますが、正しくはないと私は思います。プロティアンの理論(組織内でのステップアップよりも、自己実現や幸福追求のために、自分を変化させながら成長を目指す考え)で正しくいうなら、「何歳からでも人生は変化させられる」です。 あのとき、もっと真剣に大学を選んでいたら……。
まじめに就職活動をしていたら……。 あの人とお別れしなかったら……。 誰にだって、「こうしていたら」と振り返りたくなることの1つや2つはあるものです。でも過去を変えることはできませんから、いくら後悔しても仕方がありません。そこで「人生はやり直せる」とよく言われるのですが、過去をリセットして今から「はい! キレイさっぱり再スタート!」というのは物理的にも心理的にも不可能だと思います。 あまり良くないたとえですが、大犯罪を犯した人が心を入れ替えて「人生をやり直す」といわれて、納得できるでしょうか? これも意味合いとしてはやり直すのではなくて、これから「変わる」ということではないかと思います。人生は積み重ねです。未来が過去の続きであることからは逃れられません。