「仕事ができるけど部屋が汚い」19歳年上妻が夫と娘に隠れて浮気をした本当の理由
「子を虐待する親が、かつては被虐待児 だったことで、夫婦関係の維持に亀裂が入ることがあります」とは、キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんだ。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。 【マンガを読む】あまりに壮絶…著者の半自伝『汚部屋そだちの東大生』恐怖の母娘関係 警察庁の『令和5年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について』を見ると、2023年に虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子供の数は、過去最高の12万人の大台を突破。前年に比べ6.1%も増えていた。 実際に検挙された事件のうち、加害者は実父が最多の1068人で、実母が650人、養父・継父が390人だった。母の日は「母は無性の愛を与える」という文脈で語られることも多いが、母が虐待の加害者になることも知っておきたい。 ここで考えたいのは、虐待はされた側の心に大きな影を落とし、影響を与えるということだ。臨床心理の現場でも「子を虐待する親が、かつては被虐待児だった」と言われ、論文も多数発表されている。 今回山村さんのところに相談にきたのは29歳の諒太さん。結婚2年になる妻(48歳)の行動がおかしいと連絡がきた。前編「大手企業勤務の19歳年上妻「実は汚部屋暮らしで娘がいる」を受け入れた夫の切ない過去」では、山村さんに相談に来るまでの経緯を伺った。 結婚2年になる19歳という年齢差夫婦は、3年前のコロナ禍に出会う。諒太さんはレストランに勤務しており、オーナーシェフが出張料理人として依頼されたタワマンのパーティルームに妻がいたのだ。 同郷であることで盛り上がり、妻の方から半ば強引にデートに誘ってきた。諒太さんは母から虐待を受けており、女性に恐怖心があったが、そのままを受け入れてくれる妻の誘いには応じることができ、交際がスタート。諒太さんは年上の妻の包容力に安心し、心の底から愛するように。そして、交際1年でプロポーズ。 入籍後、初めて妻の持ち家であるマンションに行くと、かなりの汚部屋で当時13歳の娘がいた。娘の存在も初めて知ったが、諒太さんは家族として受け入れ、生活をスタート。掃除が得意でむしろ潔癖症な諒太さんが家をピカピカにした。 しかし、ここ数ヵ月間の帰宅がとりわけて遅い。妻は大手企業で責任ある立場にあり、これまでも仕事を最優先にしてきたことは、娘の発言からもわかった。 妻の行動が気になっていたところ、妻のワイン仲間から「ワインサークルに入ったイケおじ男性と妻が親密な関係にある」と連絡が入る。諒太さんは、妻が去ることを恐れるあまり、妻の行動チェックや持ち物確認を欠かさなくなる。ある時、妻のバッグの底に、コンドームのパッケージの切れ端らしいものを確認した。 浮気を確信した諒太さんは、山村さんに調査を依頼する。目的は婚姻関係の継続であり、浮気相手と妻を別れさせることだ。