ボーイング747型機が全機退役 ── どんな航空機だった?
ANAのジャンボジェットことボーイング747型機が3月31日に全機退役しました。
ボーイング747型機は1970年に米国航空会社から大量輸送の需要に応えて登場した機体で、この機体の導入により運賃の割引制度が進んだ結果、多くの人々に航空機が身近な乗り物へと変化していきます。 現在、ANAが所有している747型機は国内線専用の400D型、通称「テクノジャンボ」と呼ばれており、座席数は565席を誇ります。コックピットはコンピュータによってグラスコックピット化されているほか、国内線専用機の特徴として多くの離発着回数に耐えるために胴体や着陸装置の強化が行われています。 かつては航空旅客の増加に追いつけずに離発着数を増やせない日本の空港において、効率よく輸送できる機体としてジャンボは日本の国内線を飛んでいました。これは世界でも類を見ない例で、元々国際線を想定して設計していたボーイング社は日本型モデル「100SR」「400D」を製造しています。
しかしながら、原油高の中で運航コストが高くなるにつれて、燃費のいい中型機によるフレキシブルな運航が選ばれるようになります。 こうして一足先にJALが2011年に747型機の運航を終了、そして今回ANAが運航を終了することで日本国内キャリアから定期旅客便としてのジャンボジェットは全て退役となります。今後は、航空自衛隊の政府専用機2機と日本貨物航空の貨物機のみとなります。