国内唯一のオスのラッコ「リロ」死ぬ 「これまでよく頑張って感謝」
国内で飼育されている計3頭のラッコのうち唯一のオスだった、マリンワールド海の中道(福岡市東区)のリロ(17歳)が4日朝、死んだ。人間に例えると70~80代になるという。同館ではラッコプール前に献花台を設けている。 【写真】ラッコのリロの16歳の誕生祭。大勢の来場者でにぎわった=2023年3月30日、福岡市東区のマリンワールド海の中道、小川裕介撮影 同館によると、リロは和歌山県のアドベンチャーワールドで2007年に生まれ、12年にマリンワールドに来た。おっとりした性格の一方、遊具を使いサッカーの試合の勝敗予想をするイベントに真面目に取り組む一面もあるなど、来館者を楽しませてきたという。 昨年11月下旬ごろから自分で毛の一部の手入れができない状態がみられるようになり、12月27日朝にエサを全く食べず、展示を中止。年明けに状態が悪くなり、4日午前7時ごろに息を引き取った。死因は調査中。 リロは21年にマナ(メス)が死んで以降、同館が飼育する唯一のラッコだった。1989年から続いた同館でのラッコの展示が途絶えることになるという。担当者は「残念だが、オスとしては高齢で、これまでよく頑張ってくれた。多くの人にラッコや自然について考えるきっかけを与えてくれて感謝している」と話す。 同館によると、国内では他に三重県の鳥羽水族館が2頭を飼育する。(大下美倫)
朝日新聞社