ウクライナ侵攻で投入される北朝鮮兵は「突撃部隊」 兵士報酬ピンハネ、実戦経験のメリットも。日本にも影響?
「現代戦の武器や戦術に触れ、北朝鮮軍の近代化や戦力向上につなげられる。金政権が権力を維持し続けるための資金を稼ぐ手段でもある。派遣規模が約1万2千人になるとされる北朝鮮兵は、1人当たり月2千ドル(約30万円)の報酬を得ると報道されている。中国やロシアにいる北朝鮮人労働者と同じように、報酬のほとんどは金政権が吸い上げるだろう。ロシアが北朝鮮の軍事的な大盤振る舞いの見返りに何を与えたかは定かではない。おそらく資金、食料、燃料だが、心配なのは軍事技術の移転だ。一部の専門家は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)が大気圏に再突入する際に高熱や振動から核弾頭を守る技術など最先端の軍事技術だと推測しているが、航空機や潜水艦など通常兵器の設計や生産向上に関する支援の可能性の方が高いのではないかと思う」 ▽ロシアと北朝鮮は同盟か、それとも政略結婚か ―北朝鮮とロシアは急速に接近し、軍事協力を深めています。
「いわゆる政略結婚なのか、それとも真の同盟なのかについてはまだ議論の余地がある。だがウクライナ侵攻を巡って多くの弾薬やミサイルがロシアに渡ったことは明らかだ。北朝鮮はこれまで推定で約800万発の砲弾と多くの短距離弾道ミサイル(SRBM)をロシアに送っている。西側情報機関の見立てでは、ウクライナでロシアが使った弾薬の半分が北朝鮮製だった。砲弾は何十年も前に製造されたもので不具合も多く、最近製造されたSRBMでも半分に誤作動があった」 ―朝鮮半島有事が起きた場合、ロシアは北朝鮮支援で同様に兵力を提供するでしょうか。 「即座には派遣しないのではないか。有事の支援を規定したロ朝包括的戦略パートナーシップ条約の文言にはさまざまな解釈があるが、自動的に参戦を発動するものではない。その時の指導者の判断に委ねられるが、ウクライナ侵攻で疲弊しているロシア軍が北朝鮮に派兵する余裕があるかどうかは疑わしい」 ―今、軍事境界線を挟んで韓国と北朝鮮の緊張が高まっています。ロシアへの北朝鮮兵派遣と南北緊張は関連しているのでしょうか。