豊かな環境守る意識新たに 中学生が研修成果を発表 子ども世界自然遺産講座
鹿児島県奄美大島の5市町村連携事業「子ども世界自然遺産講座」の研修成果発表会が1日、奄美市名瀬の奄美市役所であった。各市町村から研修に参加した中学生19人が出席し、世界自然遺産に登録されている奄美大島、屋久島での学びや感じたことを発表。ワークショップでは両島の違いや共通点、課題などをまとめ、豊かな自然環境を守る意識を新たにした。 研修は地元の子どもたちが世界自然遺産の価値を理解し、環境保全や歴史文化の継承などにつなげてもらうとともに、次世代のリーダーを育成することが目的。奄美大島自然保護協議会が2018年に始め5回目の実施。 奄美大島での研修は10月12日から1泊2日であり、環境省の職員や奄美博物館の学芸員を講師に座学をした後、金作原散策や住用三太郎線ナイトツアー、マングローブ林でのカヌー体験を満喫。屋久島での研修は11月8日から2泊3日、屋久杉自然館の見学や自然休養林「屋久杉ランド」や西部林道の散策などで自然と触れ合った。 ワークショップは3班に分かれ実施。参加者は「奄美大島、屋久島研修で分かったこと」「すごいところ」「おすすめ」「2つの世界自然遺産地域に行って感じたこと」などを写真やイラストも用いながらまとめた。世界自然遺産の評価基準が奄美大島は「生物多様性」に対し屋久島は「生態系」「自然美」であることや固有の動植物、自然の特徴、奄美の自然を守るために自分たちにできることなどをそれぞれ発表した。 瀬戸内町の油井中学校の生徒は「子どものころから奄美の自然を学んできた。今まで同世代と自然のことについて話す機会がなかったのでうれしかった」と感想。龍郷町の龍南中学校の生徒は「屋久島ではヤクシカやヤクシマザルを見て感動した。奄美から少し離れているだけでこんなにも生態系が違うことに驚いた。講座で学んだ環境の課題などを周囲の人に広めたい」と語った。