自動車学校の指導員不足という課題解決につながるのか?運転をAIが判断する「AI教習システム」を体験した
よって、AI教習システムと指導員による教習は、併用するのが好ましいのではないか、これが体感取材を通じた筆者の感想だ。最初は指導員から、その後、身につくまでの復習はAI教習システム、そして最後は人/AI、どちらかを選択する、そんな流れが好ましいように思える。 わずか数時間かもしれないが、指導員不足という根幹の部分にもAI教習システムは貢献できるし、そもそもの運転操作を会得するという側面からでも集中的な反復ができることから上達が早まる、そんな副次的効果も期待できる。
将来的には、先進安全技術の体験会などにおける講師役をAI教習システムが担うことができれば、先進安全技術への正しい理解から、過信が抑制され、結果的に交通事故による被害の軽減効果が高まるのではないか。 現在、AI教習システムにできることは限定的で、運転免許取得にまつわる教習には適合していないが、社会受容性の向上と技術進化によって、AI教習システムが教習課程で用いられることにも期待したい。
西村 直人 :交通コメンテーター