モフレムの話をしよう――拡張するガンバ大阪のマスコット戦略
モフレムからいい香りがしたら面白くない?
――グッズに関しては『MOFFICÉ』や『LINEスタンプ』など、普段使いできるグッズの販売が増えています。 石丸「そこは狙いといえば狙いですが、モフレムの造形的にチャレンジできるグッズの幅が広がったのが大きいです。モフレムはシンプルな顔なので、デザイン的にハマるグッズが多いという理由もあります。マネタイズの面でとにかく商品数を増やしている社内事情もありますが(笑)」 亀井「ただ、石丸はMOFFICÉには懐疑的でした(笑)」 石丸「売れたらいいなとは思ってましたよ!(笑)」 ――確かに”モフレムの香り”を商品化する『MOFFICÉ』は挑戦的な試みだなと思いました(笑)。どのような誕生経緯だったのですか? 亀井「グッズを開発するというよりも、『モフレムからいい香りがしたら面白くない?』みたいな会話から始まっていて。グリーティング時に皆さん(モフレムに)抱きつくんですよ。そこで良い香りがしたら記憶に根ざすというか、ふっと香りを嗅いだ時にモフレムやスタジアムでの記憶を思い出してもらえたらいいな、といったことを考えながら進めた企画です。(パートナー企業である)ロート製薬さんに相談したら『いいですね!』とノリノリで協力開発してくれて、販売まで至りました。グッズ化を最初から考えていた訳ではなかったんです」 ――モフレムは商業利用における自由度が高いといいますか、肖像においても、稼働においても良い意味で「何でもあり感」が強みだと感じます。先日開催されたGAMBA FAN FESTAで販売されたNMB48小嶋花梨さん、ドーナツ・ピーナツさん、福岡選手のコラボイラストキーホルダーも好評でした。 石丸「そこは繰り返しですが、モフレムの造形的な自由度の高さと、選手や成績に頼らないコンテンツ開発はクラブとしての狙いでもあります。まあ、コラボキーホルダーが売れたのは小嶋さんが売り場で販促のお手伝いをしてくれたところが大きいとは思いますけど(笑)」 亀井「コラボという面では、他クラブのマスコットとで何かできたらいいなという期待感があります。(マスコットに関して)他クラブのスタッフさんと内情や悩みを共有する機会が増えていますし、ファン・サポーターも応援するクラブの垣根を超えた横の繋がりがあるので。いろんな形で繋げられるのではないかという手応えもあります」 ――マスコットがもたらす“横の繋がり”は興味深い事象ですよね。今年5月に開催されたモフレムデーではサポーターが自発的にモフレムぬいぐるみを持参して集合写真を撮る企画『#圧倒的モフレム』がSNS上の露出を席巻しました。 亀井「試合当日はそんな企画が開催されているとは知らなかったので、後から聞いてビックリしました。本当に嬉しい限りです。モフレムファンの皆さんと上手く交わりたい思いもあります。良い距離感で何かできればと」 石丸「『モフレムデー』は『GAMBA EXPO』や『GAMBA SONIC』と同じような形で年に1回開催される定番イベントに育てたいと思っています。今年は集客的にはそこまで結果を残せなかったのですが、来季にむけてグルメやグッズだけではない取組みの検討は続けるつもりです」