「自炊がこんなに大変とは…」 社会福祉士を目指す女子学生、月10万円の仕送りと時給945円のバイトでやりくり
福井県立大学看護福祉学部2年の佐藤さくらさん(仮名)は、地元の秋田県を離れて福井市で一人暮らしをしています。幼いころからのボランティア活動で社会福祉への思いが芽生えたという佐藤さんに、キャンパスライフの様子と、かかるお金について聞きました。(写真=学食から見えるキャンパスの景色、本人提供) 【写真】1か月で必要なお金は?家計簿はこちら
社会福祉士の資格をとりたい
――なぜ福井県立大学への進学を決めたのですか。 社会福祉を学びたいと思ったからです。 小学生のころからボランティア活動に積極的に参加して、保育園や老人ホームを訪れたり、清掃活動をしたりしてきました。活動を通じて、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の人と触れ合い、視野が広がりました。そうした経験から、大学では社会福祉を学び、社会福祉士などの資格をとりたいと思いました。 山口県で一人暮らしをしている祖母の存在も大きいかもしれません。祖母が住む家は、段差があったり、駐車しにくい立地だったりして、高齢者には適していない環境です。加えて、祖母は交友関係があまり広くないので、そういった面でも心配です。祖母のように、一人で暮らす高齢者がどうしたら快適に暮らせるか、社会福祉的な視点で考えてみたいと常々思っていたことも、大学進学時の後押しになりました。 地元の秋田県内には、社会福祉を学べる国公立大学がなく、県外に出る必要がありました。福井県は、私の地元の秋田と、祖母が住む山口との中間地点なので、祖母の家に遊びに行く途中に何回か立ち寄ったことがあり、ちょっとした馴染みがありました。そして自分が学びたいことを学べることから、福井県立大学を第一志望としました。両親も「行きたい大学に行っていいよ」というスタンスで、反対もされませんでした。
バイトの時給は945円
――1日の平均的なスケジュールを教えてください。 朝は7時半に起きて身支度を整え、自転車で20分ほどの永平寺キャンパス(福井県永平寺町)に行きます。1限は9時からで、本当は朝ごはんをしっかり食べたいところですが、時間に余裕がないので、食べない日のほうが多いですね。 社会福祉学科は、3年から実習が始まるので、1~2年の間に一般教養や語学の授業を履修することが推奨されています。私は1年のときに授業をたくさん詰めて履修したので、2年になって少し空きコマも出てきました。なので午前中の授業が終わったら、オムライスやチャーハンなど簡単にできる昼食を食べにいったん家に帰るようにしています。 授業が終わった後は、アルバイトや部活をしています。放課後に何も予定がない日は図書館に行って勉強します。友達やサークル仲間と週1回程度、外食をすることもありますが、たいてい21時ころには家に帰り、簡単にできる夕飯を作って食べます。夕食後は食器を洗ったり、洗濯をしたりとすることが意外とあり、あまり余裕がありません。寝るのはだいたい24時を過ぎてしまいます。 ――どんな授業が面白いですか。 2年になってから、専門的な授業が増えました。難しいと感じる一方、新しい学びがあって、視野が広がって楽しいです。個人的に面白いと思ったのは、住環境に関する授業です。映像で事例を見て、どうしたらより快適な住環境にすることができるかを話し合ったり、間取り図に記入したりしました。 ――アルバイトは何をしていますか。 アプリで見つけたパン屋さんで週2日働いています。シフトに入るのが午後なので、主にレジ打ちをしていますが、パンを焼く手伝いをすることもあります。1年の夏から働いていて、時給は945円。確かにもう少し時給が高いとうれしいですが、初めてのアルバイトですし、一緒に働いている店長や同世代のバイト仲間がいい人たちなので、満足しています。映画館に併設されているため、映画を安く見られるという福利厚生があるのも気に入っています。 ――部活動やサークル活動は何をしていますか。 3つの活動を掛け持ちしています。 1つ目は「つぐみ活動」や「BBSサークル」といったボランティア活動です。子ども食堂の運営をお手伝いしたり、公民館を借りて子どもたちと一緒に遊んだりしています。数カ月に1度の頻度でしか参加できていませんが、クリスマスの時期には、子どもたちと一緒にケーキを作って食べました。 大学祭「白樫祭」を運営するサークル「学友会」にも入っています。新入生歓迎会のときに、友達ゼロの状態で入学した私を先輩方が温かく迎え入れてくれたことがすごくうれしかったので、このサークルに入りました。2024年の白樫祭は10月12、13日に行われます。模擬店を出店するサークルを募ったり、企業から協賛金を集めたり、ステージを仕切ったり、備品を管理したりという仕事を30人ほどで役割分担しています。 もう1つは、男子バレー部のマネジャーです。以前は競技者としてバレーボールをしていましたが、弟がバレーボールをするようになってから男子バレーボールの面白さを知り、マネジャーとして参加しています。週2日の頻度で平日の練習や休日に行われる大会のサポートをしています。