おいしい食べものと人がつなぐ3年間の記録 南青山の人気店『ふーみん』のドキュメンタリー映画が公開
「あのお店のあの味を食べたい」「あのお店のあの人に会いたい」。そんなふうに思う、自分にとって大切なお店があると思います。東京・南青山、骨董通りにある中華風家庭料理店『ふーみん』は、まさにそんなお店。この店でしか食べられないメニュー「納豆チャーハン」「豆腐そば」が食べたくて、そしてあったかい人柄のオーナー、ふーみんママに会いたくて訪れる人が多いお店です。そんな『ふーみん』とふーみんママを映し出すドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』が公開されます。
(上/キッチンで中華鍋を振るい「納豆ごはん」を作るふーみんママ、下/『ふーみん』でスタッフが集まり食事中) 『ふーみん』が誕生したのは1971年。美容師を目指していたふーみんママこと斉風瑞(さいふうみ)さんが25歳の時、 友人からの一言をきっかけに、「こんなお店があったらいい」という思いからオープンしました。ふーみんママは台湾人の両親を持ち、おいしいものに敏感な味覚のおかげで、たくさんの人をおいしい料理で満たしてきました。70歳の時に『ふーみん』から引退しましたが、現在は1日1組限定のお店『斉』をオープンし変わらずにたくさんの人を笑顔にしています。3年半に渡って密着したドキュメンタリー映像には、ふーみんママのあたたかい人柄とおいしいものがつなぐ縁、今の時代に改めて大切にしたいゆるやかな人のつながりが詰まっています。 『ふーみん』の料理はふーみんママのルーツとも言える中華風家庭料理。そこにふーみんママの確かな味覚を生かしたアレンジ、お客さんからの「こんな料理が食べたい」というリクエストが加わり、たくさんのメニューが誕生しました。
(上/定番の「ふーみんそば」、下/梅干しをたっぷり使った「豚肉の梅干煮」 ) 最初に作ったメニューが「小腹が空いた時に自分が食べたいと思うおそば」という「ふーみんそば」。透明なスープにツルツルとした細麺、シャキシャキのもやしと小松菜、煮卵、大きなチャーシューが乗った定番メニューです。