木村拓哉&玉森裕太がミシュラン「三つ星」レストランのプレゼンターに! タイヤメーカーがなぜ「ミシュランガイド」を発行し続けるのか?
レストラン情報とホテル情報をあわせて次世代のガイドを目指す
もう一方のミシュランキーについては、星付きレストランを選ぶような厳密な評価原則と基準が定められる。1ミシュランキーは「特別な滞在」、2ミシュランキーなら「素晴らしい滞在」、3ミシュランキーには「最上級の滞在」と定義され、5つの基準が設けられている。やや簡潔に説明すれば、ホテル自体が旅の目的になることを前提に、その土地ならではのローカル性/内外の建築の素晴らしさ/個性や特徴、オリジナリティ/サービスメンテナンスと快適性/価格相当の体験かどうか、といったところだ。 ミシュランキーの日本国内リストは全国が対象であるため、東京版のガイドや電子書籍ではなく、ミシュランガイド公式アプリやオンラインサイトで公開されている。東京はレストランだけで507軒を数えるが、じつは3ミシュランキーに相当するホテルは3軒のみ、全国では6軒のみ。2ミシュランキーは17軒、1ミシュランキーは85軒となっている。じつはアプリやサイトでは検索予約が可能となっていて、星付きやビブグルマンはもちろん、セレクテッドレストランと並行して地図上で近いところ、あるいはその逆でも予約そして経路案内まで完結させることができる。しかも「セレクテッドレストラン」相当の鍵付きではない「セレクテッドホテル」枠もあって、これらのリストは年1回発表の星付き・鍵付きとは異なり、オンラインやアプリ版で常時更新され続ける。 ミシュランによれば一般ユーザーは旅行の予定を組む際に、平均して約10時間をオンラインの検索と予約に費やすのだとか。同時期に、タイやメキシコでもミシュランキーホテルが発表されており、ホテルの格付け情報はレストランとあわせて、ミシュランガイドのインターフェイスをデジタルへ移行させるための方策と考えられるだろう。2021年に始めたグリーンスターという、サステナブル・ガストロノミーの最前線を紹介する部門など、「格付け機関」というミシュランガイドの権威的な側面は過去のものかと思いきや、さにあらず。1企業でありながら“公器”に近い一貫性と存在感は、掲載店発表セレモニーの様子にうかがえた。