ロータス、EV販売目標を大幅下方修正 欧米の追加関税で「大打撃」78%減
ロータスEV子会社、製品戦略の再考を迫られる
中国のロータス・テクノロジーは、中国製EVに対する欧米の追加関税の影響を受け、販売目標を大幅に下方修正した。 【写真】創業者コーリン・チャップマンも夢見た4ドアモデル【ロータス・エメヤの走りと内外装をチェック】 (26枚) 同社は吉利グループ傘下のロータスの子会社で、EVを専門としている。今年の世界販売台数は、従来の目標5万5500台から78%減となる1万2000台を見込む。来年については、7万6000台から3万台に修正している。 グループ・ロータスのフェン・チンフェン最高経営責任者(CEO)は8月28日の第2四半期決算説明会で、米国政府が中国製EVに対し100%の輸入関税を課すと発表したことについて「我々の予測に劇的な影響を与えた」と述べた。 フェンCEOはまた、欧州連合(EU)の関税引き上げも販売に打撃を与えるとした。 今年上半期のロータスの世界販売台数は、過去最高の4873台を記録した。その内訳は、中国製EVの「エレトレ」と、英国のロータス・カーズが生産するガソリン車「エミーラ」が半々だった。 ロータス・テクノロジーは、4億3800万ドル(約630億円)の営業損失を計上した。 2024年上半期における最大の市場は米国であり、全体の約4分の1を占めた。販売はエミーラが中心で、EVのエレトレと「エメヤ」はまだ発売されていない。 フェンCEOは、ロータス・テクノロジーは関税に対応するため、年末に向けて「欧州で製品の再発売や再配置を行う。特に欧州では、さまざまなバリエーションの発売を検討している」と述べた。 ロータス・テクノロジーは、42個の天然サファイアを使用したエメヤ・ブロッサム・エンチャントメントのような特別仕様車で平均単価を引き上げようとしている。 また、需要が供給を上回ったため、エミーラの価格を引き上げる予定だという。 追加関税に加え、ロータス・テクノロジーは高級EVに対する世界的な需要の低迷にも見舞われている。同じ問題で、メルセデス・ベンツは最近、高級EV向けの新しいプラットフォーム開発を中止した。 フェンCEOはまた、中国の高級車市場全体が50%縮小したことについても言及した。 「当社は製品戦略を再調整し、より迅速かつ容易なグローバル市場参入の方法を模索している」 ロータス・テクノロジーは新戦略「Win26」の一環として、2年以内の黒字化を目標に、人員削減と業務効率化を行うという。 2026年には新たに中型電動SUVを投入し、販売を強化する。その仕様については11月に開催予定の広州モーターショーで公開するとフェンCEOは述べた。
ニック・ギブス(執筆) 林汰久也(翻訳)