耐震化率低い街襲う…“キラーパルス”で輪島市等の住宅に大きな被害 専門家「耐震補強は一部屋だけでも」
原田経美建設課長: 「若い人が外に出ちゃっているので、『今更直しても』というのもあるし。補助金もあるんですけど、そんな額ではなかなか直せないということで。難しいところですね」
■「自分の命は自分で守る。自分の地域は住民で守る」
東栄町で築100年以上の家に暮らす伊藤さん夫婦は、14年前にリフォームをした際、地元の工務店に耐震化を依頼した。 伊藤智久さん(78): 「うちは14年前に全部リフォームして。とにかく柱を1本も2本も余分にいれてよと。“耐震”ということでやった」
黒い梁や天井は昔のまま生かし、淡い茶色の柱は耐震化のため、新しく増やした。 一番狭く、柱の多い部屋で眠るなど、暮らしでも常に地震を意識している。 伊藤さん: 「何かあった時には、こっちの部屋にくれば一番丈夫だと。命を守るにはここだと思っとる。狭いけども、柱やなんかもいっぱいあるし」 伊藤さん: 「間近間近だって言われている。たまたま能登の方だったけど。ここで(大地震が)あったって不思議がないこと。日本全国どこでもあるもんだよね」
阪神淡路大震災から29年。そして、改めて耐震性の重要さを認識するきっかけとなった、能登半島地震。 名古屋大学の福和教授は、南海トラフ巨大地震が起きた際を想定し、警鐘を鳴らした。
名古屋大学・福和伸夫名誉教授: 「私たち目の前に南海トラフ地震があるわけで、被災者人口というのは、能登の何百倍。行政の力は、本当に不足するということなのは明らか。『自分の命は自分で守る、自分の地域は一緒になって住民で守る』。そういう気持ちを持たないと、これからやってくる巨大災害にはなかなか難しいと思います」
■石川県では最大150万円までの補助 制度を利用して耐震化を
木造住宅の耐震化のための「耐震改修」で、東海地方の自治体からは補助を受けることができる。 市町村ごとに細かく条件は異なるが、愛知と三重の場合は最大100万円、岐阜の場合は最大110万円。どの県も一部自己負担がある。 日本建築防災協会が4年前にまとめた耐震改修工事費の目安によると、木造二階建て住宅の場合では、半数以上が190万円以内で行われているということだ。