「これってバイクじゃね?」爆走する「魔改造」自転車が街で増殖するワケ
● なぜ、違法な自転車が売られているのか なぜ、違法な自転車が売られているのかというと、「販売は違法でない」からです。例えば、旧型のF1マシンも販売されていますが、公道では乗れないのと同じ理屈です。 電動アシスト自転車には速度センサーが装備されています。通常は速度センサーによって時速24キロになったところでアシストが停止しますが、このセンサーが正しく働かないようにすることでアシストが止まらずに続くようにするのが、魔改造のメジャーな方法のようです。 魔改造用のパーツもインターネットで堂々と売られていますし、作業工程についても動画で紹介されています。販売サイトや動画では、「公道使用は禁止されています」などと注意書きしていますが、タテマエに過ぎないと感じます。 続く、モーター付二輪車は、「電動モペッド」と呼ばれるものです。これは定義が少し難しいのですが、電動アシスト自転車がペダルをこがないと前進できないのに対し、電動モペッドはアクセルレバー(加速レバー)を操作することでペダルをこがずに走行できるものです(ペダルを装備していないものも存在します)。
● 合法か違法か、整理すると…? 電動モペッドはさらに2種類に分類できます。一つは「特定小型原動機付自転車」で、もう一つは「原動機付自転車」です。特定小型原動機付自転車は、16歳以上であれば免許不要で乗れるもので、法定速度は時速20キロ(車道上)に制限されています。原動機付自転車は運転免許が必要で、第一種ならば法定速度は30キロ、出力の大きい第二種ならば法定速度は60キロです。 特定小型原動機付自転車であろうと原動機付自転車であろうと、届出し、ナンバープレートを装着し、自賠責保険に加入する必要があります。しかし、ペダル付きのものはナンバープレートを装着していないものを多く見かけます。 また、こがずに走る電動モペッドは免許が必要ですが、免許を取得せずに運転している人も多くいると聞きます。そして、電動モペッドについても魔改造が行われているようです。電動モペッドの魔改造は、特定小型原動機付自転車でありながら時速20キロ以上の速度が出せるように改造されているようです。 ここで一度、整理しておきましょう。 ・電動アシスト自転車→合法 ・魔改造電チャリ→違法 ・特定小型原動機付自転車の電動モペッド→合法 ・原動機付自転車の電動モペッド→合法 ・魔改造特定小型原動機付自転車→違法 ・魔改造原動機付自転車の電動モペッド→違法