【安田記念・生情報】「ハッピー」に込められた意味 ロマンチックウォリアーが最強証明へ
[GⅠ安田記念=2024年6月2日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝1600メートル] 読者の皆さん、こんにちは! 美浦トレセン担当の権藤時大です。普段のウイークデーはトレセン取材が主ですが、安田記念に出走する香港馬ロマンチックウォリアー(セン6・シャム)とヴォイッジバブル(セン6・イウ)の2頭を追いかけるべく、この3日間(火、木、金曜)は東京競馬場で密着取材を敢行。今まではテレビやスマホの画面越しで見てきた香港の一流馬たちには勉強させられることが盛りだくさんでした。 何より気になっていたことが一つ。ロマンチックウォリアーの指揮官である〝ダニー〟ことシャム調教師が馬の状態を口にするときにたびたび使う「ハッピー」という言葉です。 「今朝ジョッキーが騎乗して、大変良い状態にあり、健康状態も大変いいです。(馬も)大変ハッピーでこの環境をエンジョイしているようです」(5月28日=火曜) 「健康面は問題なく、ハッピーでいる状態です」(5月30日=木曜) このように愛馬の状態面を尋ねられた際に必ず使われていました。自分自身、英語の話し言葉については字幕つきの海外映画でしか触れていない疎いレベルということもあり、「ハッピー」という言葉には〝幸せ〟という辞書の字面上でのイメージが強く、若干ですが違和感を持っていました。 しかしながら、金曜(5月31日)にシャム調教師を直撃してその真相がわかりました。ダートコースで軽めのキャンターを行った同馬の状態について「大変良い状態にあります。大変ハッピーで健康的で…ここ(東京競馬場)にいることがうれしいみたいです」とにこやかな笑みを浮かべた同調教師。 改めて「ハッピー」の真意について尋ねてみると、「私が馬の状態を〝ハッピー〟と感じるのは馬の目を見て、食欲を見て…そして私たちは馬に大変近いところにいますので、われわれに対する反応を見て、彼(ロマンチックウォリアー)がハッピーなんだのと考えています」とのこと。そう、指揮官がたびたび発する「ハッピー」という言葉は単純な馬の気分だけでなく、〝絶好調〟を伝える最適句だったというわけです。 香港最強馬〝浪漫勇士〟ことロマンチックウォリアーの状態を読み解く上で非常に大きなカギとなる指揮官の「ハッピー」という言葉。自分自身もその走りにすっかり魅了されました。本命に据える同馬の日本挑戦が状態だけでなく、結果もハッピーなものとなりますように…そう願ってやみません。
権藤 時大