新型EVバス『T15E』、極寒耐久テスト完了…マイナス20度で航続600km以上を実証
中国の商用車メーカーのユトンバスは、新型EVバス『T15E』の極寒耐久テストをフィンランドで完了したと発表した。気温がマイナス20度まで下がる厳しい環境下で、T15Eの卓越した性能が再び実証されたという。 【画像全4枚】 テストでは、オウルからロバニエミに至る250kmの雪に覆われた道のりを走破。2.5時間の走行中、T15Eはバッテリー効率、安定性、登坂性能、コーナリングにおいて優れた能力を発揮した。 2回目のテストでは、オウルからヘルシンキまでの609.8kmのルートを走行。T15Eは、マイナス20度の環境下で、満充電から残り2%まで電池を消費し、エネルギー消費量は0.94kWh/kmだった。この結果は、厳しい冬の環境におけるその性能を再確認するものとなった。 T15Eの実証された性能は、最先端の技術に支えられている。容量630kWhの次世代高エネルギー密度バッテリーは、高度な液体冷却および加熱管理システムと連動している。永久磁石同期モーターは最大97.5%のピーク効率を達成し、ユトン独自開発の効率的なブレーキエネルギー回収システムや低温ヒートポンプ式エアコンシステムなどが、エネルギー節約と運行信頼性をさらに向上させている。 メガワット級の高速充電機能を搭載したT15Eは、1時間余りでのフル充電が可能で、ヨーロッパ全土の主要な充電ステーションと互換性がある。また、高度な安全システムが、長距離輸送における信頼性と効率的な性能をさらに強化している。 このテスト結果は、T15Eが厳しい冬季条件下でも高い性能を発揮できることを示しており、電動バス技術の進歩を実証するものとなった。
レスポンス 森脇稔