タンス預金「200万円」がありますが、同僚に「お金の価値が下がるから資産運用したほうがいい」と言われました。現金なら減ることはないと思うのですが、どういう意味なのでしょうか?
手元にお金を置いておく「タンス預金」は、必要な際に銀行の窓口やATMから引き出さなくてもお金を使えるメリットがあります。ただ、インフレが続く昨今では資産価値が目減りするマイナスの影響も大きいです。 本記事ではタンス預金で「お金の価値が下がる」の意味と、タンス預金からどの資産に換えればインフレ対策になるかを解説します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
「お金の価値が下がる」ってどういうこと?
お金の価値が下がるというのは、簡単にいえば「インフレーション(以下、インフレ)」が起きている状態を指します。インフレは、物価が継続的に上がる状態のことです。 インフレが起こって物の価格が上昇すると、同じ金額で購入できる物やサービスが減少し、同じものを購入するのに今までよりも多くのお金が必要になります。 例えば、今まで1個100円で購入できたリンゴが200円になると、1円あたりのお金の価値が下がったということです。 つまり、物価が上がると今までと同じ生活水準を保つためには、より多くのお金を用意しなければならなくなるのです。
タンス預金ではインフレに対応できない
何らかの理由でお金をタンス預金している場合、インフレに対応することが難しいかもしれません。 タンス預金の場合、銀行の預金や投資などの資産運用と違い、保有していても利息を得ることはできません。例えば、200万円をタンス預金しているとして、10年持っても20年持っても200万円のままです。 一方、日本の物価はどんどん上昇しています。 総務省の「2020年基準 消費者物価指数」を見ると、2024年9月分の物価指数は、2020年を100とした場合、総合指数は108.9%で前年同月比2.5%の上昇となっています。つまり、ここ数年で9%近く物価が上昇していることになります。 物価はどんどん上昇しているのに、タンス預金は200万円のまま増えも減りもしません。物価の上昇が進むほど200万円で購入できるものの数が減ることから、200万円という「金額の価値が下がってしまう」ということです。 だからといって、タンス預金をやめて普通預金や定期預金に預け入れしても、金利が低いためインフレで資産価値が目減りする状況はあまり変わりません。例えば、あるメガバンクの普通預金金利は年0.100%、スーパー定期で0.125~0.300%です。 利息がつく分だけタンス預金よりも資産形成はできるものの、その金額は微々たるものです。現在は1年で2%以上の物価上昇が実現していることを考えると、年0.100~0.300%の利息を受け取っても物価上昇には到底対抗できません。