<春を駆ける>第94回選抜高校野球 高知 戦力分析/上 「投手力」 継投で生かす持ち味 /高知
第94回選抜高校野球大会の開幕まであと3日に迫った。大会第3日に予定されている東洋大姫路(兵庫)との対戦に備え、高知ナインたちは日々練習試合などで最終調整を重ねている。チームの「投手力」「攻撃力」「守備力」を3回に分けて分析する。【小宅洋介】 高知の投手力の特徴はなんといってもチームワークを生かした継投策。昨秋は公式9試合全てで2人以上の選手が登板してきた。メンバー入り選手の中で、登板の可能性が高いのは、山下圭太(2年)、川竹巧真(2年)、日野灯(2年)中嶋奏輔(1年)の4投手。いずれの投手も「暖かくなるにつれ、調子も上がってきている」(浜口佳久監督)。これまでエースナンバーを背負っていた高橋友選手(2年)はセンバツでは野手に専念するという。 投手陣の柱は、新たにエースナンバーを背負うことになった山下投手。130キロ台中盤の速球とキレのある変化球が身上で、昨秋は41回3分の2を投げて防御率は1・73。先発や救援としてあらゆる場面での登板で成果を残し、どんな場面でも決して屈することのない精神力が一番の強みだ。「絶対に打たれないという気持ちが強い。とても負けず嫌い」。捕手の西野啓也選手(2年)は、山下投手の性格をそう評する。この冬場で体力や球速を向上させ、エースとしての風格を備えつつあり「完投する可能性もあり得る」(浜口監督)という。 144キロの速球を誇る川竹投手は、四国大会県予選決勝・明徳義塾戦や同大会準々決勝・英明(香川)戦で山下投手と共に登板し、試合を形作ってきた。明徳義塾戦では、監督から先発を告げられたのがその日の朝だったといい、ピンチさえも楽しむ強心臓が持ち味だ。昨秋は登板機会の無かった日野、中嶋両投手のコンビネーションにも注目が集まる。中嶋投手の右横手から繰り出される変化球の後に、日野投手の角度と威力あるボールをぶつけることで、相手打者の目先を変えていきたい。 浜口監督は「おそらく点差はあまり開かない」と甲子園初戦の試合展開を予想。投手陣の踏ん張りが、勝敗の鍵を握りそうだ。