岡山大、負担少ないロボット手術に注力 2023年587件は国立大病院1位
精緻な動きをして体への負担が少なく済む「ロボット手術」に、岡山大病院が力を入れている。同病院によると、米国製の手術支援ロボット「ダビンチ」3台を使用し、2023年に実施した手術は587件で、全国の国立大病院で1位だった。他の病院で断られた手術をするケースもあるといい、各地から患者が訪れている。 ロボット手術は腹腔鏡形式で、腹部に開けた小さな穴から、3次元の画像を捉えられる高性能カメラや人の手をしのぐ動きができる手術器具を入れる。 直近1年間で約40件の手術を担った泌尿器科の別宮謙介助教は「血管や臓器の様子が詳しく分かり、器具は手ぶれせず滑らかに動く。正確で安全な手術が実現できる」と話す。 傷口が小さく出血量が抑えられるほか、医師の負担軽減にもつながっている。コックピット(操縦席)に座った状態でカメラや器具を操作するため、長時間の手術でも疲れにくいという。 岡山大病院は10年にロボットを初導入。現在はぼうこうがんや腎がんの手術が多く、可能と判断すれば難易度の高い進行がんの手術もする。泌尿器科では、前立腺がんなどに対する8種類の手術が保険適用対象だ。
同病院は「全国1位の件数となったことを励みに、これからも安全で体に優しい手術を心がけ、ニーズに応えたい」としている。