【解説】円安どこまで進む? 深刻…家計にも影響、為替介入の可能性は
円安に歯止めがかかりません。外国為替市場で円相場が約34年ぶりに1ドル=155円を突破しています。経済部・日銀担当キャップの渡邊翔記者が、今後に関する以下の3つのギモンを解説します。 【3つのギモン】 1:まもなくGW…影響も 2:為替介入はある? 3:進む円安…どこまで?
鈴江奈々キャスター 「まずは、現在(25日午後5時ごろ)の円相場を確認すると1ドル=155円62銭台となっています」 経済部・日銀担当キャップ 渡邊翔記者 「じりじりと155円を突破してからも円安が進んでいて、徐々に156円と次の節目が見えてきているような状況です」
■まもなくGW…海外旅行への影響は
鈴江奈々キャスター 「そこでまず1つめのギモンです。まもなくGWですが、GWへの影響…GWに海外旅行を計画している方はここまで円安が進むと大変ですよね」 渡邊キャップ 「去年のGWの時期と比べて、ドル円相場が、どれだけ変わっているかグラフにしてみました。ちょうど1年前は1ドル=133円台だったのですが、じりじりと円安が進んで、きょう(25日)は先ほど確認したように、155円台後半と、20円以上円安が進んだことになります」 「たとえばハワイに行くために10万円をドルに替えて現地で使おうと考えたときに、単純計算で約100ドルは予算が減ってしまうぐらいの変化になります。きょう(25日)、羽田空港で取材しても非常に悩ましい声が聞かれました」
チアダンスの大会で米・フロリダへ(羽田空港、25日午後) 「弁当が5000円と言われたので、ちょっと…と思って自炊にしました」 「泣きそうです。うちは親子で行くので」 妻の単身赴任先 米・ボストンへ(羽田空港、25日午後) 「食べ物を買うときはスーパーで。ラーメンも3000円とかするので、あまり外食には行けないかな」
■円安でインバウンドの効果も…物価高で日本人の消費が冷え込む懸念も
鈴江キャスター 「日本人が海外に出てお金を使うのは厳しいですが、一方で、外国の方が日本に来たら、ものすごく安く感じて、お買い得な状態…円安によってインバウンドの効果はありますよね」 渡邊キャップ 「効果はあるにはあります。しかも、きょう(25日)発表された、先月の百貨店のインバウンドによる売上は、過去最高を記録しているんです。ただこの水準まで円安が進むと、インバウンドのことより、私たち日本人の消費が冷え込まないかを気にしなければなりません。今年は春の賃上げが非常に好調でした。ようやく消費が上向く兆しがある中、円安がさらなる物価高につながれば、せっかくの賃上げの効果がなくなってしまうことになります」 鈴江キャスター 「なるほど。物価高で消費が冷え込むと、経済全体にもマイナスの影響があるということですね」