那須川天心、4人の日本人バンタム級世界王者に宣戦布告「全部取るつもり」 来年にも世界初挑戦
プロボクシングの帝拳ジムは31日、トリプル世界戦を7月20日に両国国技館で行うと発表した。世界戦に匹敵する注目の一戦に、バンタム級での世界王座奪取を狙う“神童”那須川天心の転向4戦目が決定。WBA4位のジョナサン・ロドリゲスを相手に自身最長となる10回戦が用意された。初の世界トップ10選手との対戦で完勝し、モンスター・井上尚弥に続く東京ドームでのビッグファイトを狙う。 東京ドームへの道は両国国技館からスタートさせる。天心は会見に「クリスチャン・ディオール」の革ジャン、フレアパンツにTシャツ、靴まで全身黒で固めて登壇。「前回TKOだったので今回はKO」と自信たっぷりにKO宣言した。 1月に行ったWBA、WBO世界バンタム級14位のルイス・ロブレス(メキシコ)との試合は相手を圧倒。3回終了後、右足首を痛めた相手の棄権により初のTKO勝ちを収めた。キックボクシングの42勝などを含めた公式戦50連勝を飾った試合後、強豪ひしめくバンタム級で世界王座を狙うと表明した。 世界王者は、WBAが井上拓真(28)=大橋=、WBCが中谷潤人、IBFが西田凌佑(27)=六島=、WBOは武居由樹(27)=大橋=と、主要4団体で日本人が独占する。「強い選手に勝っていけば、自然と次は那須川天心でしょってなる。そういう位置に来年辺りは立てると思う」と予告。年内に地域タイトルに挑み、来年に世界初挑戦を描くが、「1個取れたらいいと思ってないので。全部取るつもりでいる」と遠慮はない。 今回は日本タイトル戦などと同じ10回戦で、キックボクシングからの転向後、最軽量となる120ポンド(約54・4キロ)契約体重で戦う予定。すべては世界初挑戦を見据えたものだ。試合がなかったこの5か月間で体力、技術を上げ、心を整える特訓を積んだ。「呼吸を意識して生きています。中身を整えれば外も大きくなる」と胸を張った。 5月6日の東京ドームで井上尚弥(31)=大橋=がルイス・ネリ(メキシコ)を撃退した大一番を生観戦。キック時代の22年に武尊(32)と戦った大舞台で今度はボクサーとして「いつかはやりたい」と描く。ボクシング界の主役は俺とばかり、真夏の両国で拳を突き上げる。(戸田 幸治) ◆Prime Videoスポンサー契約 〇…「Prime Video」はこの日、天心とスポンサーシップ契約を締結したと発表した。ボクサーパンツに同社のロゴが入るなど、今後さまざまな協力をしていく。広報担当者によると「日本のPrime Videoがアスリートとスポンサー契約を結んだのは初」だという。国内で登録会員1400万人ともされる同社が天心の人気と注目度、将来性に関心を寄せた結果の契約となった。
報知新聞社