MotoGP日本人ライダーの戦い【第5戦フランスGP】:Moto2小椋藍がチーム移籍後初の表彰台で見せた笑顔
MotoGP中上貴晶、進化のない3日間に悲嘆
中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)のフランスGPは、金曜日のコメントに集約されていた、と言っていいかもしれない。グリップがとにかく「悲惨」だという。 「スピニングも(昨年と比べて)今年のほうが多いですね……。旋回もかなりひどく、バイク自体の旋回が引き出せていない。それに加えて、なぜかここでは特にリヤのグリップが非常に低く感じています。アクセルを開ける前から、リヤの感覚がわからないんです。アクセルを開けてちょっとずつ感覚を引き出そうとしているんですけど、開けると同時にリヤが逃げてしまうんです」 「(コーナー進入でも)リヤの感覚がすごく薄くて、バイクを倒しこんでいけない。バイク自体がレーシングラインをフォローしてくれる感じが皆無なので、乗りづらいですね。いいところがないです」 スペインGP後にはヘレスで公式テストが行われていたが、新しいアイテムは投入されなかった。ファクトリーチームも同様だったようで、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)は、金曜日の時点で「以前と同じバイク、同じパッケージなんだ。だから、いい結果は期待できないよ」と述べていた。 土曜日、中上は短めのスイングアームを使用した。リヤグリップの改善をねらったものだ。これによってリヤグリップのわずかな改善はあったが、今度は立ち上がりでウイリーの傾向が出た。それでも、決勝レースで再びそのパッケージを選ぶ状況だった。 「(バイクを)抑え込んで走らないといけないので、すごく疲れます。バイクを信頼して預けて曲がっていけない。だから、すごく乗りづらいんです。レース後半は、腕上がりに近い状態でした。かなしいですね。こんなに遅いのに、こんなにフィジカル的に厳しいっていうのは……」 中上は土曜日のスプリントレースを16位、日曜日の決勝レースを14位で終えている。6名の転倒リタイアが発生して獲得したポイント圏内の14位だが、完走を目指した尽力がそこにあったことは確かだ。