ペットと暮らす老後 じわり増加「ペット可」高齢者施設 背景に「ニーズ」 課題は「差別化」
ペット可の高齢者施設はどれほどあるのか。 全国の高齢者施設を紹介するサイト「みんなの介護」によりますと掲載する5万3000の施設の内、ペット可の施設は275施設。 県内は、紹介したメディカル志賀を含め3施設が掲載されていて、取材では他に長野市で1施設、確認されており、少なくとも4施設あります。
こうした施設は少しずつ増えていると言います。 「みんなの介護」を運営・クーリエ・牧広大さん: 「微増という感じで(年間)1、2、3件という感じなんですが。施設も増えているという背景もあるが今後、施設ごとにそれぞれ特徴を出していかなければという中で、ペット可能な施設というのが、いわゆる多彩なニーズに応えるため、利用者側の選択肢を増やす背景があると推測される」
増加の背景には施設の差別化の他に「核家族化が進みペットの預け先がないこと」「コロナ禍、癒やしを求めてペットを飼う家庭が増えたこと」なども挙げられるということです。
ただ、ペットブームと言われて久しい昨今、数はまだ少な目です。 これには、多くが自立度が高い利用者が暮らすサービス付き高齢者向け住宅や、住宅型有料老人ホームが占めていることや、他の入居者とのトラブルを回避したいという考えがあるようです。
メディカル志賀では、2013年のオープンからこれまで9件のペット飼育を受け入れていますが、契約前に「トラブルを起こさない誓約書」「飼えなくなってしまったときの引き受け保証人の承諾書」を提出してもらっています。 今のところ、目立ったトラブルはないということです。 メディカル志賀・高相守所長: 「例えばペットを飼ってる人同士がトラブルになる可能性もなきにしもあらずなんですが、今は少ないからいいですけど、各階にいるわけじゃなく離れたところにいるので、そこらへんの住み分けをうまくしていかないとトラブルが発生するかもしれない」
メディカル志賀では、今後、ペットとの生活を希望する入居者が増えることを見据え、共用部分のルールづくりなどを整備するとしています。 メディカル志賀・高相守所長: 「ニーズとしてはもっと高まってくると僕ら管理している者も感じているので、しっかりしたルールづくりをやって、うまくいくように努力していきたい」
ペットと暮らせる施設。 「家族」として連れ添う人も多く、課題がクリアされれば高齢化の進展とともに今後も増えていきそうです。
長野放送