自律神経の乱れが整う「音読」意識したい4つの点 コロナ禍で声出す機会が減少、疲れやすい体に
「音読で疲労が回復する」と聞いたら、どう思いますか? にわかには信じがたい話だと思うかもしれません。でも実は、科学的根拠がちゃんとある話なのです。自律神経研究の第一人者小林弘幸氏の著書『1日1分で自律神経が整う おとなの音読』より、疲労回復や不眠の改善に効果的な「大人のため」の音読のコツを4つご紹介します。 【写真】『1日1分で自律神経が整う おとなの音読』(小林弘幸)では、自律神経を整えるための音読のコツを紹介する ■音読は小学生の勉強のためだけ? 「いつも自分だけ疲れている」「寝ても疲れが抜けない」「なんとなく不調が増えた」。いずれも日々診察する中でよく耳にする声です。このような悩みを持つ患者さんに私が薦めている健康法、それが音読です。
音読と聞くと、「小学生がお勉強のためにやるもの」というイメージが強いかもしれません。でも実は、音読によって声を出すこと、自分の声を聞くこと、リズムのよい自然な呼吸をすることは、意識的に自律神経を整え、疲労・不眠といった心身の不調を改善するのにとても効果的なアプローチです。 具体的な音読のコツをお伝えする前に、なぜ私が今、音読をこんなにもおすすめしているのか、お話しさせてください。 2020年から長らく続いたコロナ生活の影響で、多くの人が「声を出す」機会を失ってしまったことは、みなさんもご存じの通りです。
これによって何が起きたか。うつ病の増加です。もちろんほかにも要因はありますが、「声を出す」という行為は、私たちが心身のバランスを保つために非常に重要な行為です。 数年単位でこの機会が失われれば、私たちの体は容易にバランスを崩してしまいます。 「声を出さないだけで大げさじゃない?」と思うかもしれませんが、声は心と体のバロメーターの役割を担っています。心と体が整っているときは、スラスラとよどみなく話せますし、乱れているときはぎこちなくなります。そして、声を出さなければ、自分がバランスを崩していることにさえ気づけず、徐々に平衡感覚を失ってしまうのです。