【EASL開幕】世界を強く意識する琉球ゴールデンキングス、安永淳一GMの想い「選手のためにも国際大会で戦えるチームに」
「国際大会でしっかりと戦えるチームでありたい」
──安永GMの中では、EASLがBリーグと同じぐらい重要なものだと位置付けられているようですね。 B.LEAGUE FINALSに出ないとEASLには行けませんから、昨シーズンもファイナルに進出した時には、その喜びとともに「EASLの権利を手に入れた!」という喜びがありました。その喜びをファンの皆さんにも分かっていただける時代がだんだん近づいていると思います。 ──100万ドル(約1億5000万円)というEASLの優勝賞金は魅力的ですか? 日本のクラブが得られる賞金として一番大きいのは間違いありませんが、賞金のためにやっているわけではありません。あくまでも私たちは他国のリーグを代表するクラブに勝つために戦い、自分たちがどこにいるかをしっかり示したいです。 思い出すのはキングスの1年目ですね。18年前にチームができて、『しっかり戦えばお客様が喜んでくれる』と思っていたら全然勝てませんでした。『明確にNo.1になる』と意識して動かなければ絶対に勝てないんだとそこで学んでから、今までやってきました。アジアのNo.1も『なれたらいいな』では絶対に届きません。私たちはアジアで一番になりたい。それは強いから一番なのか、お客様が多いから一番なのか、良いアリーナがあるから一番なのか、いろんな見方がありますが、そのすべてでNo.1になりたいです。アジアのバスケファンが日本のバスケを語る際に必ずキングスの名前が出てくるためにも、No.1になることは大切だと思っています。 ──キングスの選手たちのEASLへの意識はどう見ていますか? 選手との契約は基本的にBリーグのリーグ戦とチャンピオンシップを戦うためのもので、EASLを戦う前提ではありませんでした。でもヨーロッパでは選手契約にユーロリーグの報酬が盛り込まれていて、賞金が出た時の配分も決まっています。私たちもこれだけ海外で試合をするようになって、そこにプレーする意義を持たせられるように選手と話をして、契約書を交わすようになりました。日程が詰まっているのは体力的には大変ですが、じゃあ暇でいいのか、稼げなくていいのか、と言えば忙しく稼ぐ方が良いですよね。これまで国際大会について後手に回っていたところはありましたが、今では選手はみんな「やってみたい」と思ってくれていますし、今はボランティアではなくしっかり仕事として戦えるようにしています。 ──選手にとってもEASLで世界に挑戦できるのはモチベーションになっているようですね。 昔も今も日本人の選手は海外がすごいと思っていて、海外挑戦したいと言います。ですが、私は選手たちに「日本も実はすごいんだ」と感じてもらいたい。海外に出て苦労を乗り越えて大成功する選手もいますが、その逆で海外でどことも契約できずに日本に戻って来る選手もいます。選手のためを思うと、日本のクラブにいながら海外のチームと戦って世界を肌で感じることがすごく大切ですから、そのためにもキングスは国際大会でしっかりと戦えるチームでありたいと思っています。