三つ子なら「大学無償化」「児童手当」は最大の恩恵を受けられる!? 子どもに“年の差”がある場合と比較
多子世帯には「大学無償化」や「児童手当の多子加算」など、第3子以降が対象となる制度がいくつかあります。しかし、きょうだい間の年齢差によっては、上の子が制度の対象から抜けてしまうことがあり、多子世帯としての恩恵が最大で受けられないこともあるでしょう。 本記事では、第3子以降から支援が手厚くなる制度の概要や、三つ子なら最大で恩恵を受けられるのかどうかについて、三つ子と年齢差のあるきょうだいで比較しながら解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
多子世帯が恩恵を受けられる制度
多子世帯が恩恵を受けられる制度には、主に「大学無償化」と「児童手当」が挙げられます。 多子世帯の恩恵を受けるためには、どちらも対象となる子どもが3人以上いることが要件となっており、多子世帯が特に優遇されている制度です。それぞれの制度の概要を以下で確認してみましょう。 ■大学無償化 2025年から始まる大学無償化は、国公立または私立大学の入学金および授業料が一定額まで免除される制度です。4年制大学だけでなく、医学部のような6年制大学や短大なども対象で、免除される金額は図表1の通りです。 図表1
文部科学省 令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQより筆者作成 扶養している子どもが3人以上の多子世帯が対象で、現行の「高等教育の就学支援新制度」よりも世帯の収入や資産、学業などの条件が緩和されています。 図表2
文部科学省 令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQ ただし、「子どもを3人以上扶養している」ことが条件で、図表2のように子ども3人のうち1人でも扶養から外れてしまうと無償化の対象とはならないため注意してください。 ■児童手当 第3子以降は3歳から小学生まで5000円多く給付される仕組みの児童手当ですが、2024年10月からは児童手当が拡充され、多子世帯の金額がさらに増える方針です。2024年10月から始まる児童手当の主な変更点は以下の通りです。 1. 所得制限の撤廃 2. 期間の延長(高校生の年代まで) 3. 多子加算の増額 4. 支払い月が隔月(2ヶ月に1回)に 2024年7月時点の児童手当(図表3)と拡充後の児童手当(図表4)の金額は図表の通りです。 図表3