なぜ王座奪回を目指す鹿島アントラーズの始動は新監督不在、主力抜きの寂しいものになったのか?
新国立競技場のこけら落としマッチとなった元日の天皇杯決勝で、ヴィッセル神戸の前に一敗地にまみれた鹿島アントラーズが8日、新シーズンへ向けて早くも始動した。 もっとも、現時点における所属選手33人のなかで、茨城県鹿嶋市内のクラブハウスに姿を現したのは約半分の16人だけだった。キャプテンのDF内田篤人や、元日までフル稼働したGKクォン・スンテ、DF犬飼智也、ブエノ、MFレオ・シルバ、永木亮太、土居聖真、三竿健斗、白崎凌兵、FWセルジーニョ、伊藤翔らの主力組はシーズンオフを優先させたために不参加だった。 初日はランニングやボール回しで身体をほぐすなど、1時間に満たない軽めのメニューで終わった。新加入組および昨シーズンの出場時間が短かった選手たちで構成された16人のうち、故障を抱えている3人は別メニューで調整。実際に汗を流した人数と、練習を見守ったコーチングスタッフおよび強化部の人数は13人で同じだった。 今シーズン初めてとなる公式戦として、ACLのプレーオフが今月28日に控えている。まずはタンピネス・ローバース(シンガポール)とバリ・ユナイテッド(インドネシア)が戦い、勝者がメルボルン・ビクトリーFC(オーストラリア)と対戦。その勝者をアントラーズはホームに迎え撃つ。 実力的には昨シーズンに本田圭佑が在籍した、メルボルン・ビクトリーとの対戦が有力視される。一発勝負であるがゆえに予断を許さず、可能な限りチームを早く仕上げる作業が求められるなかで、主力組の合流は10日から宮崎県内で始まるキャンプの7日目、つまり16日に設定されている。 「もうちょっと早く(全員で)始めたい、という考えももちろんありましたけど」 こう振り返るアントラーズの鈴木満常務取締役強化部長はたとえチーム作りが遅れてでも、Jリーグ統一契約書内に明記されている「最低でも2週間のシーズンオフ」を、主力組に与えることを決めた理由を明かす。天皇杯決勝翌日から15日までで、ちょうど2週間になる計算だ。