東京オリンピックの寝技の女王が涙の復活V パリ逃しても意欲十分「自分が強かったころの柔道をまた」【全日本選抜体重別柔道】
柔道の全日本選抜体重別選手権最終日は7日、福岡国際センターで男女計7階級が行われ、女子78キロ級は東京五輪覇者の濵田尚里(自衛隊)=鹿児島県霧島市出身=が2年ぶり4度目の優勝で復活を示した。 ■「レジェンドが渋滞です」野村忠宏さんら超豪華4ショット【写真】 畳を下りて地元九州の客席に目をやると、祝福の歓声が一身に寄せられた。笑顔だった表情は一転、濵田の目にみるみる涙が浮かぶ。今大会は2年ぶり4度目の優勝となったが「今までで一番うれしい優勝だった」と試合後もずっと目を赤くした。 初戦から危なげなく得意の寝技を中心に勝ち上がった。池田(東海大)との決勝は序盤から積極的に攻め立て、鋭い小外刈りで技ありを奪って優勢勝ち。「強い相手なので絶対に気持ちで受けないようにした」と復活の日本一を成し遂げた。 圧倒的な強さで東京五輪を制したが、その後はコンディションが整わないことが多く、パリへの道は断たれた。「試合に出ても負けてばかりだったので悔しかった」。五輪を逃したことより、自分の柔道ができないことが何よりつらかった。 状態も今は上向いて十分な稽古も積めているといい、自信も取り戻しつつある。「自分が強かったころの柔道を、また見せたい。(今は)7、8割ぐらい」。五輪女王が福岡から復活への道を力強く踏み出した。 (山田孝人)
西日本新聞社