《ブラジル》日本・ブラジル外交関係深化に期待 西森議員=新年の抱負を語る
西森ルイス弘志連邦下院議員が5日、新年挨拶のため編集部を訪れた。西森議員は2024年がブラジルにとって、G20の議長国を務めるなど重要な年になること、日本とブラジル両国間にとっては、日伯修好通商航海条約130周年(2025年)を迎える準備のための大切な年であり、外交関係深化に期待のかかる年であることを述べ、自身の取り組む水産や農業分野での政治活動の様子について語った。
西森議員は「G20では大臣級の閣僚が多数ブラジル訪問をします。議員として日本とブラジル両国の関係が更に強化されるよう尽力したい」と話す。 西森議員は伯日議員連盟の会長も務め、先頃、今回の下議任期いっぱいの会長継続に決まったという。 昨年、日本とブラジル間での観光ビザが免除された。西森議員は次のステップとして、ワーキングホリデービザ協定締結を提案し、話し合いを進めているという。「日本とブラジルの若い人たちが観光や就労で両国間を自由に行き来できるようになってほしい」と語る。 長年の懸案となっている日系4世ビザ問題についても、「こちらも良い方向に話し合いを進めている」と明かし、今年中に進展があるように尽力したいと語った。 来年の日伯修好通商航海条約130周年を迎えるに当り、日系社会では日本とブラジル両国に日系社会の存在をアピールできるよう、団結して準備に当たりたいと話し、「130周年では若い世代を巻き込み、私たちが指導して、これからの日系社会の新しい形を築いていきたい」と意気込みを語った。 また、西森議員は水産・養殖議連の代表を4年間務めることが決まったことを明かした。
来年、ベレンでは環境サミット「Cop30」が行われる。ブラジルの農業と環境問題に対する姿勢が世界に大きな影響を与えるとし、これらの課題に積極的に取り組んでいきたいと語った。 西森議員は以前から、食品安全の観点から、新しい農薬の使用を可能にする『農薬規制緩和法案(Projeto de Lei N 6299 de 2002)』の実現に努めてきた。 西森議員によれば、ブラジルで使用されている古いタイプの農薬の一部は、何度も散布しなければならず、安全性に欠けているという。 日本で使用されている同種の農薬は1度の散布で効果があり、コストパフォーマンスもよく、安全性が保障されているといい、これらの農薬を導入するための調査を、西森議員は政府に呼び掛けてきたという。 西森議員は「ブラジルは世界最大のスーパーマーケット。農業に力を入れるのは必然であり、非常に重要なこと。国際社会と同じ土台に乗りましょう」と語った。 西森議員の訴えを受け、農薬緩和法案が下院議会で可決された。食の安全に関わる重要法案だ。 西森議員は、今年で議員生活21年目を迎える。議員活動を始めた当時は、労働法改善に取り組んだ。その後、社会福祉や日伯社会保障協定の締結に携わった。今後は平等な社会を実現するため、法政問題解決に取り組んでいきたいと語った。