「危険ドラッグにハマる理由は性的欲求」 『脱法ドラッグの罠』著者・森鷹久氏に藤井誠二が聞く(第3回)
2014年7月、厚生労働省と警察庁により「危険ドラッグ」と名称を改められた脱法ドラッグ。現在も危険ドラッグが原因と見られる事件、事故が後を絶たない。そもそも、危険ドラッグはどれほど危険なものなのか。なぜ、若者や中高年を惹きつけるのか。販売業者や危険ドラッグ常用者への取材を重ね、『脱法ドラッグの罠』を上梓したライターの森鷹久氏に、ノンフィクションライターの藤井誠二氏が聞いた。 全5回に分けてお届けするインタビューの第3回目のテーマは、「危険ドラッグにハマる理由」。
藤井:今、「危険ドラッグ」は、十代や二十代の若い人の中にもずいぶん広がっていて、森さんの本の中にも若い子たちが危険ドラッグをやって地べたに座り込んでいたりする描写がたくさん出てくるけど、若者だけじゃなくて中年の男性とかも使ってる。彼らが使ってる理由ってなんなんですか。 森:最初はやはり興味本位で、そんなに危険じゃないでしょっていうことでやられると思うんですけど、本当に包み隠さず言うと、僕が取材、何十人という危険ドラッグの使用者の方に話を聞いてきて、もう共通してるのはやっぱりセックス、性的快感を、性的欲求の解消のためにそのドラッグを使うということです。これは100パーセントそうです。若い子からもう60代とかいう方の使用者もいましたけど、皆さん100パーセント、セックスです。パートナーがいる、いないに限らずってことですね。 藤井:出張型の性風俗の女の子が無理やり薬物飲まされそうになって、泣きながら帰ってきたっていう描写もあったけど。 森:実際に歌舞伎町なんかだと近くにラブホテル街があったりして、最近の、この半年~一年ぐらいの話なんですけど、その脱法ハーブ店が、いわゆる袋になったものが売っていました。「パケ」という3グラムずつパッケージされたものです。それや、「ジョイント」という、いわゆるたばこ状にハーブ巻いたもの、それ自体を1本から宅配するというようなサービスがあります。それをラブホテルの中に危険ドラッグの販売店がその広告をフライヤーを置いてたりとかする。 あと僕が1件だけ見たのは、これもまた歌舞伎町じゃないところの都内のホテルなんですけども、そこはホテルの部屋の中にそういうグッズの自動販売機があると思うんですけど、そこに危険ドラッグが売ってました。