飛距離10mダウンで本塁打激減 「飛ばないボール」の真相に迫ったアナリストの衝撃分析 鬼筆のスポ魂
2024年のプロ野球の全日程が終了後、12球団は当然ながら、それぞれの143試合のデータを細かく分析し、来季に向けた戦力編成や戦略戦術の〝たたき台〟として活用する。そうした状況下、ある球団のアナリストから衝撃的なデータ分析が示された。 【写真】ミズノがNPB統一試合球の外箱を変更 「今季のセ・パの打球の飛距離は以前に比べて10メートル近く落ちている。飛ばない原因は投手のレベルが上がったこともあるが、公式球の材質にあると見て間違いはない」というものだ。 ■防御率1点台ずらり 打球が10メートル近く飛ばなくなれば本塁打の数も減り、投手に有利に働き、打者は不利となる。そう聞かされて今季のセ・パの打者部門と投手部門の成績をそれぞれ5年前と10年前とで比較してみると…。 まずチーム本塁打数だが、今季100本以上打ったチームはセがヤクルトの103本、DeNAの101本の2球団。パはソフトバンクが114本、日本ハムが111本の2球団。10年前の14年はセが広島の153本を筆頭に4球団、パも西武の125本など3球団あった。5年前の19年はセは巨人が183本、ヤクルトは167本を放つなど4球団が3桁に乗せ、パもソフトバンクの183本、西武の174本など5球団が100本を超えた。 逆に投手成績は今季のセ・リーグ防御率1点台は5人、2点台が7人。パはモイネロ(ソフトバンク)の1・88をトップに2点台以下が9人いる。これが10年前だと、セは防御率1点台はゼロで2点台が4人。パは金子(オリックス)の1・98がトップで2点台以下は3人。5年前もセは大野(中日)の2・58がトップで2点台が5人。パは山本(オリックス)の1・95など2点台以下が3人だった。 ■縫い目の高さが影響か やはり過去の数字と比較すると、投高打低の傾向は顕著だ。〝飛ばないボール疑惑〟はシーズンが始まって1カ月を過ぎたあたりで各球団の関係者が口々に指摘していた。日本プロ野球選手会も調査に乗り出したが、公式球の反発係数はセ・パ両リーグのアグリーメント(申し合わせ事項)通り、目標の平均値「0・4134」であることが確認されていた。公式球が統一された11年からの2シーズンは〝飛ばないボール〟が問題となったが、13年以降は打撃成績が向上し、「飛ばない」という声は消えていた。 反発係数が以前と同じなのに、どうしてボールが飛ばないのか? 球団のアナリストは原因についても調査結果を伝えていた。