八百長疑惑で中国から永久追放の元韓国代表MF、涙の無実訴えも…水原FCと契約解除
中国サッカー協会(CFA)から賭博・八百長関与で永久資格停止処分を科された元韓国代表MFソン・ジュンホが、所属していた水原FC(Kリーグ1)を退団。水原FCが13日、同選手からの契約解除要請を受け入れたことをクラブ公式Instagramで発表した。 CFAは10日、国内試合における違法賭博や八百長に関与したとして、ソン・ジュンホら国内外の43名に中国での永久資格停止処分を科していた。また、CFAは調査結果を国際サッカー連盟(FIFA)やAFC(アジアサッカー連盟)に報告しており、FIFAの規律委員会の対応によってはソン・ジュンホは世界中でサッカー活動が禁止される可能性がある。 ソン・ジュンホは中国スーパーリーグの山東泰山に所属していた昨年5月、贈収賄容疑により韓国への帰国直前で公安に連行され、今年3月に釈放されるまで約10カ月間拘束されていた。今年6月から水原FCでプレーするなか、CFAからの処分を受けたソン・ジュンホは、11日に会見を実施。涙ながらに自身の無実を主張していた。 「公安は、私が収賄を認めれば、1週間か15日以内に出所できると言った。もし私が認めなければ、妻も刑務所に送られ、捜査の対象になると言われた。私はとても怖かったし、一刻も早く家族に会いたかった。どういった経緯でそのような容疑をかけられたのか見当もつかなかったが、私はその容疑を認めるしかなかった。彼らが持っていた唯一の証拠は、私から無理やり引き出した嘘の自白だけだった」 「サッカー選手として、八百長は絶対的な恥だと思ったし、そんなことをすれば自分のキャリアに致命的な影響を与えることもわかっていた。1勝につき16万元のボーナスをもらっていたし、1勝でそれだけ稼げる人がたった20万元で試合を操作するとは思われないはずだと思った。私はただ、一刻も早くその場から立ち去りたかった。あの状況に置かれたら、誰でも同じように感じたと思う」 「中国当局は私への尋問の音声記録を持っていないと聞いた。隠すことがないのなら、音声ファイルを公開すべきだ。私がどのように扱われ、どのように証言を強要されたかを韓国の人々に示し、私が無実であることを証明したい」 一方、ソン・ジュンホは同会見の中で、同じくCFAから追放処分を受けた元山東泰山の同胞MFジン・ジンダオ氏と金銭の貸借があったことは認めた。それでも、「私は一度も彼から賄賂として何かを受け取ったことはない」と主張。「一度20万元を受け取ったことがある」とも明かしたが、「違法な理由ではないということ以外は、その理由をハッキリと覚えていない。彼と私は一度も八百長について話したことがないんだ」と贈収賄を否定した。 「私は自信をもって、正直に、私は試合を仕組んだことは一度もないと言うことができる。守備的ミッドフィルダーである私だけでは、試合をどうにかすることはできない。私はゴールを決める選手ではない」 韓国『聯合ニュース』によると、水原FCのチェ・スンホSD(スポーツ・ディレクター)は当初、ソン・ジュンホを擁護する姿勢を示していた模様。しかし、ソン・ジュンホが記者会見でジン・ジンダオとの金銭授受を否定しなかったことが韓国世論の反感を買っていることを受け、考えを改めて同選手との契約解除を受け入れたようだ。チェ・スンホSDは水原FCの公式Instagramを通じて、次のように声明を発表した。 「9月10日に発表された中国サッカー協会のソン・ジュンホ選手の懲戒発表と関連し、クラブは選手がピッチで最高の姿を見せられるように支援する義務があるという考えのもと、これまで真摯な姿勢で熟考する時間を過ごしました」 「1シーズンを懸命に走ってきたチームと応援してくださるファンの皆様にこれ以上試合以外の混乱を与えることができないと判断した中、チームと仲間の選手及びファンの皆様を考えたソン・ジュンホ選手の契約解除要請に基づき、クラブもこれを受け入れて契約を終了することにしました」 「一連の状況により、水原FCファンの皆様とすべての韓国サッカーファンの皆様にご心配をおかけして申し訳ございません。ファンの皆様の応援と励ましをお願いいたします」
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