〈富山グラウジーズ・B2〉必ずB1、自信ある ゴメス新HC「家族になれば勝てる」
●5日、富山で開幕戦 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の富山グラウジーズを「いるべき場所(B1)」に導くため、就任1年目のダビー・ゴメスヘッドコーチ(HC)が情熱を燃やす。スペイン出身、35歳の若き指揮官は「必ずB1に戻す。自信があるから、はっきり言える」と準備を整え、5日に富山市総合体育館で幕を開ける「はい上がるシーズン」に挑む。 【写真】天皇杯2次ラウンドでプレーする喜志永修斗選手(中央)や米山ジャバ偉生選手(左) ●ベンチ座らず 試合中、ベンチに座っている時間はほぼない。プレシーズンゲームでも天皇杯でも、端から端まで動き回り、選手とコミュニケーションを取りながら指示を出した。「常に100%を出す。諦める姿は絶対に見せない」。ゴメスHCのベンチワークは選手の気迫を呼び込み、早くもファンを楽しませている。 ゴメスHCの信念は家族のようなチームにすることだ。「家族はみんなのことを思い合って常に助け合う。これまでも『家族ファースト』でバスケットをやってきた。家族であれば必ず勝てる」と力を込める。思いは浸透し、メンバーの口からも「ターンオーバーしても顔を上げさせるのが家族」(宇都直輝選手)と自然にキーワードが出た。 高堂孝一社長が「非常に熱くて、冷静さと分析能力を持っている」とチームを託した指揮官は、かつて経済関連のジャーナリストとして2年間を過ごした。「コミュニケーション力は今に生きている」とゴメスHC。「富山ファミリー」を築き、白星を重ねる。 ●自らチラシ配る 開幕を2日後に控えた3日には富山駅でチラシも配った。クラブが活動していたところに「たまたま」通り掛かって協力した。試合中の激しいアクションから一転、穏やかな笑みを浮かべて来場を呼び掛けた。連日の開幕前イベントで大忙し、チームに集中しなければならない大切な時期ながら、できることは全てやる。 年代別のスペイン代表としてプレーし、2014年から指導者のキャリアをスタートさせた。日本に来たのは2年前。B1の滋賀レイクスでアシスタントコーチ(AC)に就き、成績が低迷するチームをシーズン途中からHCとして率いた。滋賀はB2に降格したものの、昨季優勝を果たし、1年でB1復帰を遂げた。 富山は開幕節で神戸ストークスと対戦。第1戦は5日午後5時35分、第2戦は6日午後1時5分から行われる。B2は14チームで争われ、プレーオフ上位2クラブが自動昇格する。 ★ダビー・ゴメス スペイン出身、1989年3月4日生まれ。2014年から指導者の道を歩み、ベネズエラ、デンマーク、ボリビア、スペイン、ドイツのチームでHCやACを歴任した。22年にBリーグ・滋賀レイクスにACとして加入し、23年1月からHC。今季富山のHCに就いた。