マヂラブ村上、自宅トイレで泣く日々 「小さくて弱い存在を慈しもうという気持ちがやっと育った。犬はすごい」
誕生日が…もうあんまり嬉しくない
僕もその感覚に近いものがあるかもしれないですね。……あはは! なんか……恥ずかしいです。今まで犬と触れてこなかったから、特にそう思うんでしょうね。だから、やっぱりちっちゃい頃から触れておくのは大事だと感じます。 今は、くむが一番居心地のいい状態にしてあげたいとも思うんです。犬の気持ちは正直わからないんですけど、ご飯もちょっとあっためてあげたほうがいいのかな? とか。うちは冷凍庫に入れていて、すげぇいいものを食ってるんですよ。真空パックで小分けされていて、毎回解凍してちょっとほぐして常温より温かい状態で出してるんですけどね。
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そういう食事ひとつにしても、いろいろと考えされられますよね。食べない時にはなんで食べなかったんだろう? 普段と何が違うんだろう? ちょっと時間が遅かったのかなとか。そうやってこっちが考えてやるしかないのもいいなというか、大事なことのような気がします。 ――いろんな気づきを与えてくれてるんですね。そんなくむくんは、村上さんにとってどんな存在ですか? 最初は「吠えたり噛んだりする毛のやつ」って感じでしたけど、今は自分たちの子どもですかね。月並みですけど、守る対象です。親の気持ちってこういう感じなのかなと思いますよね。とにかく嫌なことがない人生をおくってほしいなと。 ――愛ですね。 愛なのかな。うん、愛を教えてくれたのかもしれないです。 ――これから一緒に年を重ねていくことになりますけど、動物が年を取っていく過程を経験するのも初めてですよね。 そうなんですよ。誕生日が……もうあんまり嬉しくなくて。犬を飼っている人の記事とかたまに読むんですけど、佐藤栞里ちゃんが長く飼ってたポメラニアンの話をしていて。大人になって無駄吠えがなくなって落ち着くと言っているのを読んで、あぁ、嫌だなぁって。 それ、時が経ったって実感しちゃうじゃないですか。あと、ポメラニアンだけなのかな? 猿期(注:生後3~6ヵ月頃から起こる現象で、顔の周りやしっぽなどの毛が成犬の被毛に生え変わる時期)っていうのがあるんですけど、それになったのも嫌だったし、終わったのも嫌だったんです。……あぁ、やだなぁ。 ――健康に年を重ねられるのは幸せなことですし、老いた動物もすごく素敵ですよ。 それも愛せるように。……けど、ちょっと怖いです、自分がどうなっちゃうのか。毎日泣くんじゃないかなとかいろいろと考えてしまいます。友達も犬を飼ってて、うちで犬同士が一緒に遊んだりもしてたんですけど、亡くなっちゃったんです。くむが「あの子、来ないな」と思ってたらかわいそうだなとか考えてると、泣きそうになってしまうし……どうなるのかな。 ――その辺りの心境がどうなっていくのかも楽しみですね。またぜひお話を聞かせてください。 インタビュー中、ずっと泣いてる可能性もありますけど。はい、またお願いします。 村上(むらかみ) 1984年10月15日生まれ。愛知県出身。2007年に野田クリスタルとお笑いコンビ・マヂカルラブリーを結成。「M-1グランプリ2020」優勝。2022年に踊り手のいとくとらと結婚した。 X:【公式】@mlmurakami Instagram:@mlmurakami
高本亜紀