「資格じゃ食えない」が不安なら起業なんかするな (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■資格を取った後、現状を踏まえた上で正しい努力が必要になる
ただし、過去のように資格さえ取れば何もしないで仕事が来るという時代は終わりました。 士業人口は増え続け、すでに私たちは選ばれる存在になっています。加えて人口が減り、あわせて全体の法人数も減少する中、高い敷居のある部屋であぐらをかいていては、自然に淘汰されてしまうでしょう。 ですから、現代に合った「正しい努力」が必要になります。過去は看板を出しておけばそれで営業は十分、という時代もあったのかもしれませんが、今後は現状に即した営業を行い、そして士業の枠にとらわれない活動が必要になります。詳しいことは別の回答で解説しますが、従来の士業業務に加え、セミナーや勉強会、コンサルティングやコーチングなどに積極的に取り組むことが正しい努力になります。
■誰かに無駄といわれたら辞めてしまうくらい、小さな決意なのか?
最後にひとつだけ重要なことをお伝えしましょう。 はっきりいって今からお伝えすることは精神論に近いものですが、あなたの決意は誰かに少し批判されたら萎えてしまうものなのでしょうか。もしそうなら、厳しい言い方かもしれませんが、独立開業は楽しいことだけではありませんので、考え直してもよいかもしれません。 私が23歳で独立開業したとき、周りの友人や知人は誰一人として「うまくいく」とはいいませんでした。インターネット上の情報もネガティブなものばかりでした。23歳という年齢で開業しただけで、求めてもいない説教をされたこともありましたし、インターネット上で実力以上に名前が売れてしまったとき、メールでいわれのない非難をされることもありました。 「行政書士として品位のある活動をしなさい」 総合するとこういったご意見が多かったような記憶があります。 たしかにブログの更新やメールマガジンなど、今では当たり前になりましたが2003年頃は目新しく、目立つ存在だったのかもしれません。しかしながら、私は自分が目指した新しい行政書士像、新しい士業の形を求めて約9年間取り組んできました。それは、行政書士という資格を取ったとしても、自分の生き方は自分で決めたいと思ったからです。誰に何をいわれても実現したいビジネスの形があり、それを決意していました。 ですから、参考にすることはあってもいわれのない批判や叱責によって、自分の意思を変えたりはしませんでした。そうした揺るぎない決意があったからこそ、一定の成功段階までこられたのだと思います。 そして私は、士業で成功するための営業手法やマーケティングをほぼ確立させました。言い換えれば、成功するための方法はもうわかっています。あなたが成功するかどうかは、他人の意見やネット上の意見がどうあれ、あなたがその方針に沿って行動するかどうかです。一度しかない人生です。他人や、しかも誰が書いたかもわからないネット上の意見に左右されて自分の人生を決めるなんてちょっともったいないと思いませんか? ぜひ、もう一度考えてみてください。 ちなみに、全国で多数の成功者を見てきましたが、経歴や年齢は本当に千差万別で、どういう年齢でどういうタイミングで開業したから成功した、という法則性はあまり見られないことに気づきました。やはり、成功者に共通のルールなどないのかと考えていたところ、たったひとつだけ成功者には共通点があることに気づきました。それが「絶対に成功する」という決意です。 こういう決意が決まっている人は、多少マーケティングがいびつでも、戦略に矛盾があっても、誰に何をいわれても成功してしまいます。 あなたの決意はどのくらいのものですか? 他人の意見によって思わず萎えてしまう気持ちもわかりますが、それ以上にあなた自身の決意が重要です。 抽象的な話だったかもしれませんが、極めて重要なことですので、ぜひ忘れずにいてください。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。