100年目の甲子園。スカウト注目の特Aは2人。
100年目の記念すべき大会となる第97回全国高校野球選手権大会の49代表がすべて出揃った。 昨夏の優勝校の大阪桐蔭が大阪大会で敗れる波乱があったが、選抜優勝校の敦賀気比や、激戦区・神奈川を勝ち抜いた東海大相模、スーパー1年生、清宮幸太郎を擁する早実ら、実力のあるチームが揃った。 その中には、プロが注目している今秋のドラフト候補もズラリ。かつてヤクルトの名スカウトとして古田敦也や宮本慎也らを発掘した片岡宏雄氏に気になる選手をピックアップしてもらった。プロのスカウトは、特A、A、B、Cと評価をつける。特Aは、将来チームの中心選手になる可能性を持ったドラフト1位候補だが、片岡氏は、「今大会で特Aをつけるのは、オコエと、小笠原の2人」と言う。関東第一のナイジェリア人の父を持つオコエ瑠偉外野手(3年)と、東海大相模の左腕エース、小笠原慎之介(3年)の2人だ。 「オコエの足は出色だ。プロに入ってパワーや技術はアップできるが、スピードだけは天性のもの。おそらく1位指名してくる球団があるだろう。それくらい走力には魅力がある。バネがあるから向上心があれば、バッティングは努力次第でなんとでもなる。日ハムの陽や新庄剛志のような選手になれるんじゃないか。小笠原は、大会ナンバーワン投手だろう。左に好打者が多いプロでは、左腕はひとつプライオリティがある。150キロのストレートに加え、ほとんど膝元に集めることのできる制球力もある。神奈川県大会では、四球で自滅することがなかったし、ピンチでも粘りがあった。プロ1年目から出てくる可能性がある。左の本格派が少なくなっているだけに彼も、また1位で消えるだろう」 オコエ瑠偉は、50メートル5秒96で、プロでも8秒を切る選手が少ない中、二塁への到達タイムは7秒53。東東京大会の決勝ではその足を活かしてセンター前二塁打を記録している。小笠原は激戦区神奈川で、なんと防御率、0.00。決勝の横浜戦では完封勝利。ストレートだけでなくチェンジアップ、スライダーなどの変化球もキレ、制球力も一級品だ。