100年目の甲子園。スカウト注目の特Aは2人。
「Aクラスのピッチャーは、敦賀気比の平沼と東海大相模のもう一人のエース、吉田だろう。平沼は、ピッチャーとしては、もう少ししっかりとした制球力がほしいが、バッティングにもセンスがあるので、ひょっとすればヤクルトの雄平のようになれるかもしれない。吉田は、去年より少し変化球の曲がりのポイントが早くなったように見えるが、素材としては間違いなくトップクラス。他には、千葉を勝ち上がった専大松戸の森の馬力と球威、打者に向かっていく気持ちが買いだ」 小笠原に続く高評価のピッチャーとしては、敦賀気比の選抜優勝投手の平沼翔太、東海大相模の右腕のドクターK、吉田凌、専大松戸の1メートル85、84キロの立派な体格から最速148キロのストレートで、グイグイ押し込んでくる本格右腕、原嵩の名前が挙がった。 「野手では、内野手は、仙台育英のショートの平河と東海大相模の杉崎選手の2人。平河はバッティングにセンスを感じるし、杉崎は球際に強く、1メートル72と小さいがパンチもある。名門校で鍛えられている、この手の選手は大化けする可能性がある。外野手はスピードのある天理の船曳。キャッチャーでは、スローイングの早さが目につく健大高崎の柘植だろう。早実の加藤もいいが、攻守においてキレ味が物足りない」 片岡氏が、野手でA評価を与えたのは、4人。ショートストップでは、仙台育英の平沢大河と東海大相模の杉崎成輝の2人で、杉崎は、横浜との神奈川県大会の決勝戦で先制タイムリーに甲子園出場を決定的にする3ランをバックスクリーンに放りこむなど、守備力だけでなくバッティングも光った。通算本塁打も30本を超え、センスの塊のような内野手だ。 外野手では、50メートルを5秒9、一塁到達は3秒9を切るスピードを持つ天理の船曳海。また多くの球団が、補強の中心においている捕手では、健大高崎の柘植世那。1メートル76、78キロと、そう大きくはないが、スローイングタイムは、プロで合格点とされる1秒9を切る。バッティングにも非凡さがある。 「甲子園という大きな舞台でどれだけの力を発揮できるのかという気持ちの部分もスカウトが注目している点。ここで大きく成長する選手も出てくる」。元名スカウトも100年目の甲子園で、ドラフト候補がどれだけの輝きを見せてくれるかを楽しみにしている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)