ヒズボラのポケベル爆発で9人死亡、2750人負傷-イスラエル関与か
(ブルームバーグ): レバノンで17日、ポケットベル型の通信機器が各地で爆発し、少なくとも9人が死亡、3000人近くが負傷した。親イラン民兵組織ヒズボラはイスラエルが攻撃を画策したと主張した。
ヒズボラの構成員が多数負傷した17日の事件について、イスラエルはコメントしていない。およそ1年前にパレスチナ自治区ガザでの戦闘が始まって以降、ヒズボラとイスラエルは連日のように交戦しており、過去数週間で緊張が高まっていた。米当局者は同日、米国は事件に関与しておらず、事前に知らされていたわけでもないと述べた。
レバノン当局もイスラエルによる組織的な攻撃だと非難した。同国のコルム通信相はブルームバーグに対し、こうした無線機器のバッテリーが過熱した可能性が高く、爆発はその後に起きたとし、「汚い手」が使われたとの見方を示した。
国連レバノン特別調整官は声明で、子供を含む9人が死亡したと述べ、「極めて憂慮すべきエスカレート」であり、国際人道法の下では「民間人は標的ではなく、常に保護されなければならない」と訴えた。
レバノンのマカーリ情報相は首都ベイルートで「閣僚評議会は全会一致で、イスラエルによるこの犯罪的な攻撃を非難することを確認した。この攻撃はレバノンの主権に対する重大な侵害であり、あらゆる基準から見て犯罪だ」と述べた。発言はテレビで放送された。
レバノン当局によると、17日の爆発では2750人が負傷し、これまでに8人の死亡が確認された。負傷者のうち約200人は重体だという。ヒズボラは、議員の息子1人を含む構成員2人が死亡したと明らかにした。
爆発は主にベイルートの南部郊外で発生。ヒズボラの影響力が強い場所だ。ヒズボラはイスラエル軍に傍受されずに連絡を取り合うために、こうした無線端末を使うことがよくある。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は17日遅く、米国などの当局者の話として、イスラエルがこの作戦に関与し、台湾から調達したポケベルに少量の爆発物を仕込んだと報じた。