【毎日書評】がんばっても評価されないと嘆く前に、会社で正当な評価を受ける努力をしたか?
「誰でもできる仕事」の時給は安い
一方、そんな状態が放置されている別の原因も考える必要があるようです。それは、会社がその業務を「誰でもできる仕事」だと思っている可能性。つまり、「誰がやっても同じ仕事」「替えがきく仕事」だと思われているから、安く使われてしまっていると考えることもできるということです。 この状況を変えるには、2つの方法しかない。 1つは、それが誰にでもできる仕事じゃないと気づかせること。繁忙期に休みを取って、「〇〇さんがいないとこんなに大変なんだ」とわからせる、みたいなこともいいかもしれない。 もう1つは、「誰にでもできる仕事」というのが事実なら、その仕事にかける工数は減らして、社内で評価されやすい別の仕事に手を伸ばすこと。 取り替えがきくと見られているなら、その仕事は効率化して、給料の発生する範囲で、自分の色が出せて社内で評価されやすい別の仕事を1つでもいいからゲットする。(32~33ページより) たしかにそういう仕事に取り組んで結果を出せば、会社の評価が変わる可能性は大いにあるのではないでしょうか。(32ページより)
会社側も「評価のしくみ」を見なおす
逆に自分がマネジメントサイドにいる場合は、現場を支える人たちの不満が高まらないよう、“評価のしくみ”に目を配ることを忘れるべきではないでしょう。 重要なポイントは、現場が不満を直接伝えてくるのは、ギリギリまで我慢したあとである場合が多いという事実。フラストレーションがたまるほど自体は深刻化していきますから、本来ならそこまで溜めずに話し合えたほうが絶対にいいわけです。 かつてテレビ局に勤めていた著者も、次のように振り返っています。 テレビ局は基本的にはベースの給料が結構安くて、残業代がつかなくなると給料が下がる。だから20代、30代のときに現場でバリバリ残業していたディレクターは、偉くなって役職がつくと残業が減って手取りが減る。 僕も自分より若いAD(アシスタントディレクター)のほうが給料をもらっている時期があった。ADの仕事が遅くて一緒に残業していると、自分は管理職だから固定給だけど、ADは延々と給料が増える……。そんなモヤモヤする時期があったのだ。(33~34ページより) いま思えば、それも早く上司に相談すべきだったと感じているそう。特殊なケースかもしれませんが、似たような状況はどのような会社、どのような職種にもあてはまるのではないでしょうか。(32ページより)