少子化対策の財源確保が争点、負担増に論戦欠かせず 歯止めかからぬ一極集中、予算倍増にばらまき批判も【衆院選2024】
10月27日投開票の衆院選では、政府が「次元の異なる」とうたう少子化対策の財源確保策が焦点となる。石破政権は前政権を引き継ぎ、医療や介護など社会保障費の歳出削減や、公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」で賄う方針だ。国民の負担増につながるだけに、与野党の本格的な論戦が欠かせない。 【写真】河井克行氏が見た刑務所の世界 「河井!」と呼び捨てにされ… 「用便に行っていいですか?」などと挙手しつつ、17回も刑務官に大声で許可を請わないとトイレに行くことさえできなかった。 そして現在、妻・案里氏との関係は…
また、人口減少と東京一極集中に歯止めがかからず、多くの地方が苦しんでいる。石破茂首相は、自治体への交付金を当初予算ベースで倍増させると表明したが、まだ具体策には乏しく「ばらまき」との批判も上がる。衆院選では、地方をどう再生するか、各党の対応が問われる。(共同通信=芦沢昌敏、筋野茜) ▽メニュー 「人口減少は国の根幹に関わる課題だ。こども未来戦略を着実に実施する」。首相は10月4日の所信表明演説で、こう強調した。 前政権が策定したこども未来戦略に基づく少子化対策関連法が6月に成立。児童手当や育児休業給付の拡充などを行う。 実現には最大で年3兆6千億円の財源が必要となる。確保策の一つが社会保障費の歳出削減で、2028年度には1兆1千億円を見込む。 削減の具体的なメニュー案として政府は、医療費窓口負担が3割となる高齢者や、介護サービスの自己負担が2割となる人の対象拡大を挙げる。実施の可否を2028年度までに判断する。
他に、医療費が高額になった際、毎月の自己負担額を一定にとどめる「高額療養費制度」を見直し、負担額の上限引き上げを検討。介護サービス利用時に作成する「ケアプラン」(介護計画)の有料化の是非を2026年度末までに判断する。 ▽隠れ増税 これまでも議論の的となったが結論を先送りした項目もある。政府関係者は「財源確保には痛みを伴う改革が必要だ」と強調する。 首相は所信表明で「社会保障全般を見直し、安心してもらえる制度を確立する。時代に合った社会保障へ転換する」と語った。だが何を、いつ、どれだけ切り込むのか具体的な説明はなかった。 財源を捻出するための支援金は、2026年度から徴収する。負担額は加入する公的医療保険や収入で異なり、政府の試算では月50~1650円と幅がある。 支援金には批判が根強い。立憲民主党の野田佳彦代表は、9月の代表選時の共同通信アンケートで「隠れ増税」と指摘。10月7日の衆院代表質問では、野党が「現役世代のさらなる負担になり、本末転倒だ」(立民の吉田晴美氏)と主張したのに対し、首相は「説明を尽くす」と述べるにとどめた。 ▽原点