DeNA・平良拳太郎、復活の113球でプロ初完封!今季1勝目から3カ月…右肩の違和感にも勝った
頼もしい右腕が帰ってきた!! DeNAは4日、ヤクルト14回戦(横浜)に3―0で勝利。2位に再浮上した。11年目の平良拳太郎投手(28)が、9回7安打無四球で初の完封勝利を飾った。右肩の違和感による離脱を乗り越え、3月30日の広島戦(横浜)以来の2勝目。6月以降安定するDeNA先発陣を、さらに強固にした。 【写真】1軍でバッテリーの夢 食事へ行き配球談議を深めてきたというDeNA・平良&山本 最後の力を一球に込めた。九回2死一、三塁。灼熱のマウンドに立ち続けた平良の113球目。高めに浮きあがる直球で宮本を空振り三振に仕留め、握りしめた拳を夜空に掲げた。待望の初完封の喜びを、捕手山本との抱擁でかみしめた。 「目指していたところだった。(最後に)マウンドでハイタッチしたのは1軍では初めて。野球人生で九回まで投げられるかなって何回も思ったけど、何とかできてよかった」 ハマスタは日が落ちても、気温30度近くを計測した。沖縄・今帰仁(なきじん)村出身の平良だが、暑さは苦手。イニングごとにアンダーシャツを着替え、経口補水液「オーエスワン(OS―1)」も2本飲んだが、七回途中から脚がつり始めた。脚の負担を軽減するため、走者がいない場面もセットポジションで投球。対応力が光り、2021年6月の右肘手術後では初となる完投を初完封で飾った。 チームは直近2試合、ともに6投手をつぎ込むなど救援陣がフル回転していた。「試合前から絶対に長い回を投げたいという思いだった」と平良。八回を投げ終えたベンチで「いけるか?」という三浦監督の確認に「いけます」と即答した。3月30日の今季初登板は完封ペースの九回に崩れ降板。「大事にいきすぎた。次そういう場面が来たら出し切ろうと思っていた」と雪辱を果たした。 4月の2軍戦で右肩の違和感を訴え緊急降板。球団には過去になく、担当した医師もまれにみる症例だったという。春先から万全ではなかった中で、気持ちを切り替えリハビリに専念。股関節や胸郭の動きを重点的に意識し「体の使い方は前より良くなった。リハビリ期間のおかげで今回の完封があった」と語る。 前週には好物のたこ焼きを「8個で足りず、もう一回買いに行った」と16個ほうばった。験も担ぎ27個の「タコ」を積み重ねた。「前半戦全く力になれなかったので、後半戦一試合でも多く力になれるように頑張りたい」。6月13日以降、14試合連続で先発投手が2失点以内と安定するDeNAのスターターに、頼もしい右腕が戻ってきた。(浜浦日向)