ゴロフキンV20成功で村田諒太の東京ドーム頂上決戦構想に追い風?!
アルバレスの正式な出場停止処分が予想外に軽い6か月となったため8月17日にリング解禁となり、早くもアルバレスをプロモートしているゴールデンボーイプロモーションは、メキシコの独立記念日の週末となる9月15日に復帰戦を行うことを表明。そこでのゴロフキンとの再戦プランも持ち上がっていた。 だが、ゴロフキンは、今回の防衛戦前にメディアに対して「(9月15日の再戦の可能性は)10パーセントくらいじゃないか」と、消極姿勢を口にしていた。「カネロは禁止薬物を使う汚いファイターだ」と、禁止薬物の陽性反応を「汚染牛を食べたせいだ」と主張して認めていない姿勢を批判。さらに昨年9月の頂上決戦では「こちらが99パーセント譲歩した」とファイトマネーを含む条件面でアルバレス側が有利だったことを問題視し、再戦に向けての駆け引きをスタートさせている。 そのゴロフキン発言を受けてアルバレス側も「別に9月の復帰戦はゴロフキン以外でも構わない」と応戦。魑魅魍魎のボクシング興行の世界だけに、この先、どうなるかわからないが、現状は、両陣営の思惑と時間的な制約を考慮すると「9・15再戦」の実現は難しそうなムードなのだ。 実際、今回、IBFはマーティロスヤンを挑戦者として認めなかったため、3団体統一の防衛戦にならず、同級1位のセルゲイ・デレイビャンチェンコ(ウクライナ)との指名試合を8月3日までに行うことをゴロフキンに指令している。これらの情勢はゴロフキンとの東京ドームでの夢対決構想を抱く村田陣営にとっては追い風となる。ゴロフキンとアルバレスとの再戦が先延ばしになればなるほど村田戦の実現の可能性が高まるのだ。 村田は、この4月、V1に成功したリング上で「ゴロフキンを目指してやりたいと思う。今のままでは勝てないのでしっかりと強くなりたい」とハッキリ口にした。 村田をプロモートしているトップランク社のCEOボブ・アラム氏も、その試合に合わせて来日。「実現は今冬」「午前中にゴングで米国のプライムタイムでPPV(有料放送)」「井上尚弥ら複数の世界タイトル戦を組む」など、かなり具体的にゴロフキンとの東京ドーム構想を明らかにした。