「また日本が韓国から奪おうとしている!」日本政府のLINEヤフーへの行政指導に韓国国民が猛反発?
日本政府がLINEヤフーに対して韓国企業NAVER(ネイバー)との資本提携の見直しを求めたことを受けて、韓国国民が「また日本が韓国のモノを奪おうとしている!」と猛反発しているという。 【画像】新木優子 韓国人気女優ハン・ソヒとの美しすぎるツーショットが「顔ちっちゃ」と大絶賛 一体、お隣の国で何が起きているのか? また反日活動が活発になるのか? 韓国に住む現地コーディネータに協力いただき、状況を調査した。 ◆不正アクセス事件を受け、日本政府がLINEヤフーに行政指導 事の発端は’23年9月に起きたLINEヤフーへの不正アクセス事件だ。LINEヤフーが同年11月に行った発表によると、LINEアプリの利用者情報など最大約44万件が流出した可能性があるという。 この不正アクセスの原因が、同社と韓国NAVERグループとの関係にあった。 きっかけは子会社であるNAVER Cloud社の委託先の従業員のパソコンがマルウェアに感染したことだが、LINEヤフーがNAVERと認証システムを共有していたことから日本側のシステムにまで侵入され、情報が流出する事態となったのだ。 状況を重く見た総務省はLINEヤフーに対して行政指導を実施。しかし、その後の報告でLINEヤフーが「NAVERとのネットワークの完全分離には2年以上かかる」と回答したことから、2度目の行政指導でLINEヤフーにNAVERとの資本関係の見直しを求める流れになったというわけだ。 ◆韓国野党側が猛反発 問題はこのあとだ。なんと韓国の最大野党『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)代表が「伊藤博文の子孫(松本剛明総務相のこと)が韓国のサイバー領土『LINE』を強奪しようとしている」とSNSで国民に対して訴えたのだ。 また、韓国メディアもナショナリズムを煽る論調で「LINEが日本に奪われる!」との報道を繰り返した。こうした動きを受け、韓国ではLINEアプリのダウンロード数が急上昇しているという。 この騒動をきっかけに、’19年に韓国で起きた日本製品不買運動がまたしても起きてしまうのだろうか? 現地の様子を知るため、韓国・ソウルに住むコーディネーターに話を伺った。 ◆「反日というよりは愛国運動」 ――日本政府がLINEヤフーにNAVERとの資本関係の見直しを求めたことについて、韓国の一般ユーザーはどのように受け止めていますか? 「2つのタイプに分かれている感じです。『政治的なことになっているよね』、『カカオトークがあるからいいよ』とあまり関心がなさそうな人と、報道を受けて怒っている人です。 前政権の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は対日強硬派だったんですが、いまはその逆です。だから、いまの尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に不満を抱いている人は『けしからん!』と怒ってます。 よく韓国では“共通の敵”と言うんですけど、野党が支持率をあげたいときにこの言葉が使われていて、(野党からしたら)格好のネタができたっていう感じです。 例えばこれが違う国だったらこんな反応にはならないと思います。けれども昔、日本に植民地にされたという歴史があるため、『日本に何かを奪われる』ことに対してすごく敏感になることがあるんです」 話を聞くかぎりでは、反日がメインというよりは愛国運動や政権批判に使われているようだった。韓国で広く使われているメッセンジャーアプリが、LINEではなく『カカオトーク』というのも理由として大きいようだ。