AI、ドライバーの「相棒」に 車各社が開発加速 米IT見本市
【ラスベガス時事】世界最大級の家電・IT見本市「CES」の開幕を控え、自動車各社は6日、人工知能(AI)の開発を加速している姿勢をアピールした。 【写真特集】ソニー・ホンダのEV「AFEELA(アフィーラ)」 AIがドライバーの「相棒」となって対話しながらニーズに応じた機能を提供し、自動運転で目的地に行けるといった未来像を相次いで示した。 「対話型エージェントは積極的にあなたに話しかけ、役立つ情報を提供する」。ソニーグループとホンダが共同出資するソニー・ホンダモビリティの水野泰秀会長兼最高経営責任者(CEO)は、現地で開かれた記者会見で、来年納車を始める電気自動車(EV)「アフィーラ」に搭載するAI機能をPRした。 アフィーラはAIの活用により、渋滞時などにドライバーが前方から目を離せる「レベル3」の自動運転が可能で、車内で映画やゲームを楽しめる。価格は8万9900ドル(約1400万円)から。米カリフォルニア州を皮切りに、日本を含む各市場に投入する。 トヨタ自動車は、静岡県裾野市に建設中の近未来都市「ウーブン・シティ」に今秋にも従業員らが入居し、自動運転技術などの実証を始めると発表した。豊田章男会長は「AIを活用してウーブン・シティの可能性を広げたい」と強調。米半導体大手エヌビディアから自動運転開発向け高性能チップの供給も受け、実用化への取り組みを加速させる。 中国の新興勢も参加した。高級EVメーカー「ジーカー」は、車が駐車場を出てから目的地に向かうまでを自動運転で走る様子の動画を披露。対話型AIを搭載していると説明した。 一方、韓国LG電子は、ドライバーの体調を把握した上でリラックスできる音楽を流したり、好きなカフェでコーヒーを買うよう提案したりする車載AIシステムを開発すると明らかにした。車メーカー以外でも、自動車へのAI導入に対する関心が高まっている。