相次ぐ判定問題にイタリアが正式抗議…国際柔道連盟は物議醸すジャッジの正当性を主張「非難は全く根拠がない」【パリ五輪】
不可解な判定に対する新展開だ。現地時間7月31日、イタリア柔道連盟は、パリ五輪で母国代表選手たちが受けた判定を不服とし、国際柔道連盟(IJF)に正式抗議をした。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック イタリア柔道界がIJFに噛みつくキッカケとなったのは、28日に行われた女子52キロ級の準決勝だ。ディストリア・クラスニキ(コソボ)と対戦したオデッテ・ジュフリダ(イタリア)は、ゴールデンスコア方式の延長戦で3つ目の指導を受けて反則負け。さらにラリサ・ピメンタ(ブラジル)との3位決定戦でも延長戦で3つ目の指導を受けて反則負け……。惜しくも銅メダル獲得を逃していた。 ジュフリダが敗れた2試合がいずれも同じ審判だったこともあり、イタリア側では反則判定に対して“誤審”ではないかという疑惑が浮上。イタリア五輪委員会と同国の柔道連盟がIJFに疑念を抱いたという。 予期せぬ事態となり、IJFは即座に反応。公式サイト上で「イタリア柔道連盟が疑惑を向けた結果の操作に対する反論」と銘打ったリポートを掲載。その中で「完全な透明性と公平性、中立なレフェリング、国際柔道連盟の審判ルールへの徹底的な遵守、あらゆる試合のランダムな審判の選出――これらはあらゆる試合・大会で国際柔道連盟が求める最優先事項だ」と断じた。 さらに「当然ながら、これは五輪にも当てはまる」と突っぱねたIJFは、「イタリア連盟の試合結果に対する正当性の疑問、不正操作の意図があったと示唆する非難は、まったく根拠のないものである」と断言。「すべての決定は各階級の事実的要素に対して明確かつ正確に分析し、ルールを厳密に従って行われている」とも反発し、パリ五輪に派遣している審判団が正当にジャッジを行っていると論じた。 「このパリ大会に行っているIJF審判員は、世界最高峰であり、過去4年間、世界柔道ツアーでもきめ細かな仕事をこなしてきた。彼らはそのプロフェッショナリズム、経験、公平性、誠実さで認められている」 今大会は日本勢も含めて、いわゆる「疑惑の判定」が何かとお茶の間を賑わせている柔道。そうした中でIJFがジャッジの正当性を改めて主張するのは、実に異例だと言えよう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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