能登復旧に3704億円 国交省、補正予算案に計上
●道路、港湾、水道など ●あす閣議決定 国土交通省は28日、2024年度補正予算案に能登半島地震や奥能登豪雨の復旧復興の費用として3704億円を計上する方針を固めた。不通となっている道路や隆起した海岸、港湾、上下水道の本格復旧に充てる。29日の閣議で決定する見通しで、地震発生から間もなく1年となる中、復興に向けた取り組みを加速させる。 地震と豪雨では、のと里山海道や国道249号など幹線道路でも大規模な被害があり、現在も通行止めとなっている区間がある。国交省は一部の幹線道路を石川県に代わって復旧させており、補正予算を使ってさらに加速させたい考えだ。 補正予算案には、上下水道や公営住宅、砂防施設の復旧費用も盛り込んだ。国交省は津波で損壊した珠洲市の宝立正院海岸も権限代行で復旧工事を進めており、早期の完了を目指す。 能登では26日に最大震度5弱の地震が観測されるなど、元日後も地震が続いている。国交省は防災の取り組みとして災害に強いインフラの改良整備にも力を入れる。 政府は地震発生以来、予備費を活用して機動的に震災対応に当たってきた。22日に物価高対策や能登半島の復旧・復興支援などを柱とする総合経済対策を閣議決定。28日開会の臨時国会では、その裏付けとなる補正予算案を審議する。 ★補正予算 国や自治体が災害や物価高騰などによる景気の落ち込みに対応するため、当初予算成立後の年度途中に組む追加の予算。家計や企業を支援する経費を計上することが多く、年度内に複数回編成することもある。近年、国の補正予算の規模は新型コロナウイルス禍や物価高への対応で膨らみ、財源の多くを借金である国債に頼っている。当初予算と同様に国会審議を経て成立する。