【エリザベス女王杯】スタニングローズが復活の女王に 薔薇一族にG1・V2の新たな勲章 来年3月末に引退控えもうひと花へ
「エリザベス女王杯・G1」(10日、京都) 3番人気のスタニングローズが01年トゥザヴィクトリーが刻んだレースレコードを0秒1上回る、2分11秒1の好タイムで快勝。22年秋華賞以来の復活星を挙げ、2つ目のG1タイトルを手にした。鞍上のC・デムーロは22年のエリザベス女王杯(ジェラルディーナ)以来となるJRA・G1・5勝目を飾った。2着は12番人気のラヴェル、3着には2番人気のホールネスが続き、断然の1番人気に支持されたレガレイラは5着に終わった。 2年間の沈黙を破り、また秋にバラの花が咲き誇った。早過ぎるとも思われた3角過ぎからのロングスパートだったが、直線はスタニングローズの独壇場に。残り400メートルで一気に先頭に立つと、後続を全く寄せ付けず1着でゴールイン。22年秋華賞以来となるVを飾り、長く待ちわびた景色が眼前に広がった。 手綱を取った初コンビのC・デムーロは「すごくうれしい。今年、日本にはG1を勝つために来たから」と胸を張った。6月の落馬で右手指を負傷するなど、今年は決して順風満帆ではなかった。それだけに、「ふがいなかったからね。(海外)G1でも2着が多かった。だから、とてもうれしい。勝てて感慨深いよ」と喜びをかみしめた。 戦前には想像できなかった圧勝劇も、鞍上には自信があった。「感触が良くて、馬が前向き。すごく期待ができた」というのが初コンタクトを取った最終追い。レースの勝負どころでの判断も、「早めの仕掛けだったけど、後ろから人気馬が来ていたし、前の馬も垂れてきていた。何よりも手応えがあったね」と、こともなげに振り返った。 待望の復活Vに陣営も喜びひとしおだ。「言うことないですね」と言葉を振り絞った小川陽助手。秋華賞での勝利以降は6戦連続で掲示板にも載れず。苦しい状況が続いただけに、「ちょっとずつ歯車がかみ合わなかった。いつもの調教通りの走りをやっと出せた。モヤモヤが取れます」とホッと息をついた。残念ながら高野師は海外視察中のため不在。「来週(マイルCS)は期待のナミュールもいるので、もう1週間シドニーにいてほしい」とC・デムーロは、歓喜の輪に加われなかった指揮官を笑顔でいじってみせた。 クラブの規定により、来年3月末で引退となるスタニング。今後は未定だが「フィジカル、コンディションがいい。この後で使うにもすごくいい状態だと思う」と鞍上は太鼓判。もうひと花へ-。復活の女王は、最後まで歩みを止めない。